今回は2013年9月22日に行われた神奈川県の真鶴町議会選に立候補した荻野英治を紹介します。
普段のインディーズ候補紹介と異なり、今回は選挙公報の前に結果*1を下に示しますが、荻野英治を除いたどの候補者も230票以上獲得している中、ただ一人、荻野英治だけ8票という一桁台の得票数という、かなり衝撃的な結果になっています。
当落 | 候補者名 | 票数 |
---|---|---|
当 | 青木巌 | 560 |
当 | 岩本克己 | 538 |
当 | 青木繁 | 403 |
当 | 田中俊一 | 400 |
当 | 板垣由美子 | 389 |
当 | 高橋敦 | 382 |
当 | 海野弘幸 | 331 |
当 | 二見和幸 | 322 |
当 | 光吉孝浩 | 303 |
当 | 黒岩範子 | 301 |
当 | 村田知章 | 283 |
岡ノ谷佳子 | 280 | |
草柳昭 | 234 | |
荻野英治 | 8 |
(注:按分票の小数点以下は切り捨て)
さて、肝心の選挙公報を下に示しますが、インディーズ候補に見られる非常にシンプルな選挙公報であるものの、奇妙で不可解な主張や発言は見られません。ただ、そのような奇妙で不可解な主張は見られないものの、「安全・安心」、「美」と具体的な公約等が見られず、かろうじて「自治」に対して、「町村総会の実現」という具体的公約を掲げている程度で、主張が良く分からない感はあります。
ただ、見方を少し変えると、この「町村総会の実現」というのは他の候補者に見られない主張で、内容を良く考えると、ある意味、突飛ながらも興味深い主張です。この町村総会というのは、町村に限り条例を制定する事で(つまり議会で議決する事で)、有権者全員の総会を議会の代わりにする事ができるという地方自治法に規定されたちゃんとした機関です。そして、このような町村総会が地方自治法下で設置された事例は1950年代に宇津木村という八丈島の隣にある八丈小島に存在した人口が60人程度の極めて小さな村で設置された1例だけです*2。真鶴町の有権者が現在7000人弱であり、これらが一堂に会する事を考えると、そういう意味では「町村総会の実現」というのは、なかなかすごい主張に見えます。
このようにブービー候補の得票数234票に対して得票数8票という結果のインパクトに目をとらわれがちですが、町村総会の開設を訴える候補はなかなかいない事を考えると、そういう意味でこれからの動きが気になる候補ではあります。