Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

一条強の選挙公報(2009年市川市長選、2015年市川市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

前回は大場ひでふみ、前々回は林ヒデキとシンプルすぎる2人の選挙公報を紹介しました。今回の一条強もそのような選挙公報です。

まず、2009年11月29日に投票が行われた千葉県の市川市長選に立候補した時の選挙公報を示します。

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この選挙公報は具体的な政策を多数挙げ、何をしたいかということはわかるものの、半分程度のスペースが無駄になっています。さらには手書きで分かりづらい上に「低所特」「低学」という誤字がある点も注目されます。ただ、内容は保育所を作ることや高齢者福祉、低所得者の住居問題、交通問題など地元に密着したちゃんとした政策を訴えています。

この2009年の市川市長選は4人が立候補し、3人がいずれも3万票台であったのに対し、一条強の得票数は1,579票(総有効投票数110,070票)となり、4人中4位で落選しています。

その後、一条強は2011年4月17日に投票が行われた市川市議会選にも立候補しましたが、このときは選挙公報を提出していなかったようです(選挙は落選しています)。そして、4年後の2015年4月26日に投票が行われた市川市議会選にまた立候補します。このときの選挙公報は下のようになっています。

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これもシンプルな選挙公報ですが、手書きから活字になっており、読みやすさは段違いになっています。また写真の見た目もきれいな感じで別人のようになっており、この点も大きく変わったといえます。政策を見てみるとネットの右派的な主張で良く見られる原発再稼働とTPPの賛成と領土関係の主張のほか、地産地消の促進となっています。これは2009年のときと比較すると、地元に密着した政策からやや国規模の主張に代わっており、この点も多少注目されます。

このような選挙公報を記載した一条強ですが、得票数125票(総有効投票数129,314票、無効票2,346票)で60人中59位(定数42)で最下位は免れています。なお、最下位の候補者は決しておかしな選挙公報ではなかったことを付記しておきます