Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

中村欣一郎の選挙公報(2021年鳥羽市長選)

今回は2021年4月11日に投票が行われた三重県鳥羽市長選に立候補した中村欣一郎を紹介します。

何回も当選している現職なのにもかかわらず、特徴的な選挙公報を示す候補はそれなりに存在します(例として下に示します)。

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今回、紹介する中村欣一郎も2期目を目指す現職市長で、市長就任以前は鳥羽市議や三重県議を長年やってきたという鳥羽地域のベテラン政治家にもかかわらず、今回の市長選では特徴的な選挙公報を示しました。それでは、下に中村欣一郎の選挙公報を示します。

一目見て、手書きでごちゃごちゃしていたり、ポスターらしき画像があったりと、これはすごい感じであるということを見るものに与えます。前述したようにこの人物は現職市長かつ地方議員経験も豊富ですが、インディーズ候補感が非常にある選挙公報となっています。

内容を見てみると「鳥羽の新しい種をつくろう」ということを掲げており、種をひっくり返して「ネタ」という意味も持たせていることが分かります。そして、新水産研究所などのさまざまな具体的な事例を挙げて、種をまいてきたことを述べています。そして、「第六次鳥羽市総合計画」を挙げ、鳥羽市の今後10年間の計画の実行実現を託してほしい旨を述べています。

なお、以前の選挙公報についてですが、前回の初当選した2017年市長選、その前の選挙である2015年の三重県議会選は無投票で当選しており、選挙公報は発行されませんでした。また、その前の2011年の三重県議会鳥羽市選挙区に立候補した際の選挙公報は以下のような形となっており、この時点では極めてまっとうな選挙公報となっています(この時の選挙も当選しています)。10年ぶりの選挙公報ということでノウハウを忘れてしまったのかは謎ですが、10年の間に選挙公報に対して、何らかのことがあったことが推測されます。

このように現職なのにもかかわらず、特徴的な選挙公報を示した中村欣一郎ですが、自民党の推薦を受け*1、5,358票を獲得して当選しています(なお、鳥羽市長選の候補者は合計2人で相手候補は4,397票)*2

あきらちゃんと学ぶ選挙のイロハ(第6回: 按分票)

以前紹介した私が出演と内容監修をしている初心者向け選挙解説動画「あきらちゃんと学ぶ選挙のイロハ」ですが、第6回が公開されました

今回は以下の動画です。得票数がまれに100.5票のように小数点以下が含まれることがあります。これは複数の候補者に該当しそうな票があった場合の按分票というルールによって生じるもので、今回はこれについて解説しています。

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今後も定期的に選挙に関する解説動画をアップする予定なので、よろしければ、茗水あきらちゃんのチャンネル登録とツイッターのフォローをお願いいたします。

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また、第1回から第5回に関する記事は以下の通りです。

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このほか、選挙ドットコムさんに茗水あきらちゃんのインタビューを受けましたので、こちらも参照していただけるとありがたいです。

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矢田宗雄の選挙公報(2021年川辺町長選)

今回は2021年4月25日に投票が行われた岐阜県の川辺町長選に立候補した矢田宗雄を紹介します。

選挙に立候補するには家族がいれば家族の理解も必要です。立候補に強い意欲を示していたものの、家族の理解が得られず、立候補を断念したという事例も存在します。今回紹介する矢田宗雄も選挙公報上で家族について述べています。

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その選挙公報を上に示しましたが、いきなり「家族会議で言われました 家族の幸せが大事か?町民の幸せが大事か?」と記載しており、立候補をするにあたり、家族ともめた可能性を強く示唆しています。これに対する、矢田宗雄の回答は「私には両方とても大事です」とのことで、立候補をしたようです。

その後の文章では「町長には少し私のようなパァーな人がいい」と述べ、少しパァーな人が良い理由として「その方が町が明るくなり ワクワク・ドキドキ楽しいこと おもしろい事の玉手箱(玉手町)」と述べて、特に具体的な政策を提示せずに終わっています。

このようにかなり個性的なインディーズ候補臭の漂う選挙公報ですが、実はこの矢田宗雄には驚くべき経歴がありました。それは2007年と2011年の川辺町議会選に当選し(このうち、2011年は無投票当選)、1年ではあるものの議長を務めたこともあるというものです。なお、2015年に岐阜県議会選 加茂郡選挙区に立候補し、この時は現職の自民党候補と一騎打ちとなり、6,996票獲得したものの落選しています(当選候補の得票数は15,408票)。その後、選挙活動は確認されておらず、今回の川辺町長選が約6年ぶりの選挙立候補となります。

なお、本人のウェブページと思われるものがあり、ここには今までの経歴や具体的な政策が記載されています。例えば、町議会議員時代は議長を1年、総務委員長を2年、監査委員を3年していたということやライトノベルの「のうりん」を挙げ、PR活動をしていたことなどが紹介されています*1。また、選挙公報には記載されていなかった具体的政策も紹介されており、一番自信があるという企業誘致や道路整備、子育て支援の充実、子供が生まれた際のお祝い金支給の増額、学校給食の無償化などを訴えていました*2

また、本人のウェブページをよく見てみると、かなり気になる文章を発見しました。それは「今回、私は寺も捨て、家も捨て、家族も捨て 今まで得てきたもの全てを捨てて出馬の決心をしました」というところです*3選挙公報では立候補にあたり家族と何らかのもめごとがあったことを強く示唆する文章がありましたが、その後がかなり不穏な感じとなっていることを強く示唆しており、家族とどうなってしまったのか、かなり不安になります。

このように議長経験もある元町議という経歴を持っていた矢田宗雄ですが、町長選の結果は4人が立候補する激戦の中、435票を獲得したものの、4人中4位で落選しています*4