Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

角田統領の選挙公報(2005, 2009, 2013年東京都議会選、2015, 2019年瑞穂町議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

今回、紹介するのは、2015, 2019年の東京都の瑞穂町議会選*1に立候補した時の角田統領(つのだ とうりょう)です。後述するように角田統領は1990年代から瑞穂町ローカルながらも都議会、町議会選に立候補しているベテランのインディーズ候補です。

角田統領は本名ではなく角田豊治(つのだ とよはる)が本名となっています。後述するように過去、何度も選挙に立候補しており、「角田豊治」名義で立候補したことも複数ありますが、本名の読みを本名の「つのだ とよはる」とした他、「つのだ とうりょう」としていた選挙も確認されています。また、役場に「角田統領」、読みを「だいとうりょう」として届け出ているという話も存在しますが、こちらの詳しいことは不明です。

角田統領の政治的な活動が初めて記録されているのは1988年でした。1988年12月2日の朝日新聞 東京地方面で地元の瑞穂町の小学校の体育館の指名競争入札において、最初に落札した業者が直後に契約辞退をしたため入札をやり直したところ、落札価格が3千万円以上跳ね上がったということが報じられていました。このことで監査請求をした住民として、当時39歳の角田豊治の名前が見られました。

その後、角田統領は角田豊治名義で1995年の瑞穂町議会選に立候補していることが確認されています。この選挙では驚くべきことに定数18のところ18位につけていました。しかし、この選挙では17, 18位の候補者が当選に必要な法定得票数に届かず、落選してしまいました。この時の角田統領の得票数は103票で、法定得票数には74票不足していました。

1995年以降の角田豊治の選挙活動ですが、確認できている範囲では、2003年の瑞穂町議会選、2005年の東京都議会選 西多摩選挙区、2007年の瑞穂町議会選、2009年の東京都議会選 西多摩選挙区、2011年の瑞穂町議会選、2013年の東京都議会選 西多摩選挙区に立候補しており、いずれも落選しています。また、選挙活動とは異なりますが、2011年には代表を務めるNPO護民官」が隣人の間にトラブルを抱えていた知的障害の生活保護者に対し、「護民官」に居住しているマンションを贈与した上で、「護民官」が所有している別のマンションに転居させるということをめぐり、贈与の内容が不公平であるなどで裁判になっていたことが2011年6月17日の朝日新聞に記載されいます。

上に2005, 2009, 2013年の東京都議会選の選挙公報をそれぞれ上に示しました(瑞穂町議会選の選挙公報は過去の記録から発見することはできませんでした)。2005年の時は福生警察署の駐車場を増やす、捨て看板の規制強化や米軍横田基地の全面返還を求める様々な政策を掲げていました。しかし、2009年になると、2005年の時は「請願条例を制定し、請願の権利性を拡充する」程度しか記載がなかった請願権運動政策の拡充やオンブズマン制度について、半分程度のスペースを使っていました。また、2013年ではより請願権についてのスペースが広がってほぼ全てになり、それ以外の政策はわずかに「憲法改悪の危機」や「原発再稼働に反対し再生エネルギーを支援」となっています。このように年齢を経過するうちに請願権やオンブズマンに関することへの比重が大きくなっていることが分かります。

2015年の瑞穂町議会選の時の選挙公報を上に示しました。今まで角田統領は自らが設立した「大統領会」所属で立候補していたことがありますが、今回も大統領会所属で立候補しています。今回の選挙公報を見てみると、「公契約条例制定」「オンブズ(行政監察)条例制定」と日頃のオンブズマン活動に関係する政策を訴えていますが、2013年の東京都議会選の時と比較すると、半分程度とやや比重は小さくなっています。そして、残り半分は「多摩地方裁判所設置」「再生エネで原発ゼロ」にという政策を訴えており、今回も無難な選挙公報に仕上がっています。なお、結果ですが、得票数149票(総有効投票数11,756票、無効票176票)で17人中17位(定数16)でただ1人の落選者となってしまいました。

また、2019年の瑞穂町議会選の選挙公報を上に示しました。この時は大統領会ではなく、「日本請願権運動」という党派名で届出をしています。この「日本請願権運動」という党派名らしく、今回は選挙公報のスペースを全てをライフワークともいえる請願権についてのことのみ記載しています。また、選挙後の5月3日に講演会的なものをやるとの告知が記載されています。この時の結果ですが、得票数20票(総有効投票数13,034票、無効票164票)で19人中19位(定数16)で終わってしまいました。

また、この2019年5月3日に行われた講演会的なものに参加してきました。この講演会的なものは、角田統領のライフワークともいえる請願権やオンブズマン制度についての勉強会的なもので角田統領以外にも5人程度の支持者的な参加者がいたほか、支持者ではないものの興味を持って参加していた人もおり、なかなかの盛況になっていました。

*1:投票日はは2015年4月26日、2019年4月21日