Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

今城睦人の選挙公報(2015年渋谷区長選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

今回は2015年4月26日に投票が行われた東京都の渋谷区長選に立候補した今城睦人を紹介します。この時の渋谷区長選は有力候補者3人と今城睦人の計4人が立候補していました。

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選挙公報を上に示します。まず、顔写真を見てみると、まるで仙人のような白い長めのひげが見た者にインパクトを与えています。そして、政策スローガンとして大きく「渋谷区を世界に誇る 安全で健全な町へ」と書いてあります。さらに文字は小さいながらも、目立つ点としては、自らを「渋谷区長選のジョーカー」と称している点も挙げられます。これは他の有力な3候補に対する自らの立ち位置を示しているものと思われます。

具体的な政策を見てみましょう。 この時の渋谷区長選の争点の一つとして、同性愛者のカップルに対して、結婚相当関係の証明書を発行する「同性パートナー条例」がありました。この政策に対し、今城睦人はなぜか大きく反対しており、「同性パートナー条例の即時廃止」と並みいる候補の中で最も激しく反対しています。この他、区議会の二期以上の立候補や議員への献金、ヤジの禁止といった議会に関する政策や防犯カメラの設置、防災、区長が学校を廻ることなどを訴えていました。

このような政策を述べた渋谷区長選のジョーカーこと今城睦人ですが、得票数は728票(総有効投票数70,133票、無効票2,977票)で4人中4位、しかも他の3候補がいずれも2万票以上獲得したという結果に終わり、他候補の当選に影響力を与えられるほどではなく、ジョーカーとしての存在感を残念ながら示せずに終わってしまいました

そうひさとの選挙公報(2015, 2019年船橋市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

今回は2015年4月26日に投票が行われた千葉県の船橋市議会選に立候補したそうひさと(宗寿人)を紹介します。そうひさとはあの有名なインディーズ候補であり、ついに2019年の港区議会選に当選したマック赤坂の一番弟子としてマック赤坂見附を名乗っていたこともあるという異色の経歴を持つ人物です。また、この時は26歳という、かなり若い年齢での立候補でもあります。

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そうひさとの選挙公報を上に示しました。レイアウトを見誤ったのか、手書きで書かれている名前のところが少し変な感じになっています。また、メインのスペースを見てみると、「そうだ!」「そうなんです」という言葉と自分の苗字の「そう」をかけている文章が書いてありますが、「そうだ!剣道三段 隠し事をしないで!!堂々と! そうなんです! 真っ直ぐなココロでがんばります!そうです。」と剣道三段であることをアピールする以外は真っ直ぐな心で頑張るということしか述べておらず、最後に手書きで「お年寄りを大事に」と書いてあり、選挙公報だけでは、具体的に何をするかが分からない感じとなっていました。また、自身がマック赤坂見附を名乗っていたという経歴ということはどこにも記しておらず、このことを前面に押し出すような形にはなっていませんでした。

この時のそうひさとの結果ですが、得票数540票(総有効投票数179,687票、無効票3,085票)で73人中66位(定数50)となり、落選はしたものの、思いの外、健闘しています。

また、そうひさとは4年後の2019年4月21日に投票が行われた船橋市議会選に再度挑戦しています。この時の選挙公報を下に示しましたが、ちゃんとしたデザインかつ具体的な政策をいくつも挙げ、前回と比べるとまっとうで分かりやすい選挙公報になっています。また、この時もマック赤坂見附を名乗っていたという経歴は記されていませんでした。

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この2019年船橋市議会選のそうひさとの結果ですが、得票数1,357票(総有効投票数173,899票、無効票2,861票)で60人中57位(定数50)となり、前回よりは健闘したものの、この時の港区議会選では当選したマック赤坂とは異なり、落選という結果に終わってしまいました。

とじき栄一の選挙公報(2015年宮崎市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

前回前々回などの記事において、現職なのにシンプルすぎる選挙公報を紹介しました。今回、紹介するのも現職議員なのにシンプルすぎる選挙公報で、その候補者は2015年4月26日に投票が行われた宮崎市議会選に立候補したとじき栄一です。

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とじき栄一は当選回数2回の現職議員ですが、選挙公報は上に示したように顔写真と名前のほかは「がんばれ日本!!」という文字ととじき栄一らしきイラストが記されているのみとなっています。

このようなシンプルすぎる選挙公報が災いしたのか、とじき栄一の選挙結果は得票数1,705票(総有効投票数132,449票、無効票1,284票)で66人中49位(定数40)となり、なんと落選をしてしまいました。

なお、とじき栄一は2019年の宮崎市議会選には立候補せず、この2015年の宮崎市議会選以降、他の選挙への立候補は見られませんでした。