Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

大津純の選挙公報(2015年一宮市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

現職ながらシンプルすぎる選挙公報があるとのことを前回の記事などで紹介しました。今回紹介するのも、このような現職なのにもかかわらず、インディーズ候補的なすごいシンプルな選挙公報です。それでは、2015年4月26日に投票が行われた愛知県の一宮市議会選に立候補した大津純選挙公報を下に示します。

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大津純は3回当選している現職候補ですが、自身の顔写真と名前、年齢、無所属の表記以外は、「期待に応える覚悟はある」と握りこぶしのマークのみというあまりにもシンプルすぎる選挙公報となっています。

このようなあまりにもシンプルすぎる選挙公報でありましたが、大津純は得票数2,694票(総有効投票数138,774票 無効票2,059票)で、53人中33位(定数38)と当選者の中では下位ではあるものの、4回目の当選を果たしています。

なお、改選となった2019年の一宮市議会選には立候補せず、大津純は現在は議員の職にないことを付記しておきます。

谷川よしかずの選挙公報(2015, 2019年苫小牧市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

前回の記事でも紹介したように現職議員なのに、シンプルすぎる選挙公報となっている候補はいます(例: 2011年の徳島市議会選に立候補した岡南均)。今回、紹介するのも現職議員なのにシンプルすぎる選挙公報で、その候補者は2015年4月26日に投票が行われた北海道の苫小牧市議会選に立候補した谷川よしかずです。なお、谷川よしかずは自民党所属の現職議員であり、インディーズ候補ではありません。

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上に選挙公報を示しました。左に自身の名前と顔写真、自民党公認であること、当選回数7回であることと、生年月日といった基本的プロフィールを示しています。そして、政策等を書くべきメインスペースは、下半分を自身の名前で占め、上半分には「心にふるさとを おとうさん、おかあさんをたいせつに!!」という文字が記載されているのみとなっています。このように両親を大切にすべきという政策を述べてはいるものの、具体的な政策は読み取れない感じになっています。

このような選挙公報を示した谷川よしかずの結果ですが、得票数2,443票(総有効投票数72,647票、無効票885票)で、30人中11位(定数28)となり、上位で当選を果たしています。

なお、谷川よしかずは改選となった2019年4月21日に投票が行われた苫小牧市議会選にも9回目の当選を狙って立候補しています。

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この時の選挙公報を上に示しましたが、顔写真と当選回数が変わったほか、「心にふるさとを」の部分が「カジノ誘致反対」に変わったものとなっており、両親を大切にすることが谷川よしかずの信条であることが読み取れます。ただ、シンプルすぎる内容ではあるものの、前回と比較すると、カジノ誘致反対という具体的な政策が記載されている点は注目されます。

この2019年の選挙では得票数2,186票(総有効投票数65,077票、無効票767票)で、31人中11位(定数28)となり、またもや上位で当選を果たしています。

安孫子哲の選挙公報(2015, 2019年群馬県議会選 前橋市選挙区)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

具体的な政策を述べないシンプルな選挙公報をここのところ、いくつか紹介しました。このような具体的な政策を述べない選挙公報インディーズ候補だけではなく、現職議員にもまれに見られます。例えば、当ブログで紹介した2011年の徳島市議会選に立候補した岡南均はまさに好例です。

actin.hatenablog.com

今回、紹介するのは2015年4月12日に投票が行われた群馬県議会選 前橋市選挙区に立候補した安孫子哲です。なお、安孫子哲は自民党所属の現職議員であり、インディーズ候補ではありません。

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上に選挙公報を示しました。左にある経歴のスペースはしっかりと書かれてはいるものの、大半のスペースには具体的な政策が記載されておらず、短めの抱負的なものになっています。

この内容を見てみましょう。一番大きな文字では"Your Voice in my ear"と記載されており、この下に「――貴方の声をわたしの耳に――」と記載されています。また、この下にも声に耳を傾ける旨の豊富が記載されています。これらはフォントも相まって、詩のような感じになっています。

さて、このように詩的な感じの抱負を前面に押し出した安孫子哲ですが、得票数9,010票(総有効投票数113,014票、無効票1,670票)となり、9人中8位ではあるものの、定数8であったため、当選を果たしています。

なお、安孫子哲は改選となる2019年4月7日に投票が行われた群馬県議会選 前橋市選挙区に立候補していますが、この時の選挙公報は下に示したように具体的な政策がしっかりと書かれたオーソドックスなものでありました。この時は得票数8,958票(総有効投票数106,274票、無効票1,682票)で10人中8位(定数8)で当選しています。

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