Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

中村勝の選挙公報(2015年港区議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を再編集したものです)

今回、紹介するのは中村勝です。中村勝2011年の大阪府知事選を皮切りに2012年の衆議院選 大阪16区、2013年堺市議会補選 南区選挙区に立候補しており、選挙経験はなかなか豊富な人物です。これらの選挙公報は当ブログでも紹介していますので、下のリンク先を参照してください。

actin.hatenablog.com
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これらの選挙では「二十一世紀日本維新会」なる維新の会と紛らわしい政治団体を立ち上げたり、堺市議会補選では大阪都反対派であった現職市長のスローガンである「堺はひとつ!」という文言を現職市長とは関係がないのに選挙公報に記載するなど、有権者に誤認させて票を集めようと考えられる非常にまずい感じな選挙活動を行っていました。このようにかなり問題のある感じを漂わせる一方で、当ブログでも紹介した『映画「立候補」』では年の離れた幼い娘を一人でかなり大事に育てており、仲睦まじい親子仲が見られました。

このように堺市ローカルのインディーズ候補中村勝でしたが、2015年の統一地方選では、何と4月26日に行われた東京都の港区議会選に立候補しました。議会選に立候補するにはその議会選の選挙権を有している、つまり港区に選挙前から住民票を移していて、3か月以上経過している必要があるのですが、中村勝が何故、住み慣れた堺市から港区に引っ越したのか、大いに謎です。それでは今回の中村勝選挙公報を下に示します*1

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今回は議員報酬ゼロを実現する会という新たな政治団体を立ち上げました。前述したように既存の政治団体に類似した名称を用いていたパターンとは異なり、今回はそういう意味でまともな団体名となっており、いかなる心境の変化があったのか興味深い所です。また、選挙公報の内容も議員報酬ゼロの内容に特化しており、自身のプロフィール以外は議員報酬や政務活動費についてのみ言及しています。

また、rukaruruさんのサイト、広報用掲示板に今回の中村勝のポスターが紹介されていますので、リンクを下に示します。

rukaruru.hatenablog.com

このように今回、堺市から港区に選挙活動を移し、インディーズ候補愛好家界隈に衝撃を与えた中村勝ですが、得票数749票(総有効投票数64,814票、無効票1,135票)で47人中38位(定数34)で落選という結果に終わってしまいました。ただ、地元の堺市から東京都の港区に移ったものの、かなりの票を得て健闘したことが分かります。今後、中村勝が港区で選挙活動を続けるのか、それとも再び堺市に戻るのかは非常に気になる所です

*1:web版では選挙公報がカラーになっていました

選挙ドットコムさんに寄稿しました(テーマ: 「立憲」という名の付いた政治団体)

選挙情報サイトの選挙ドットコムさんに以下の記事を寄稿しました。

go2senkyo.com

今回は「立憲民主党」という名称の政党が結党された事から、戦前、戦後の「立憲」という名の付く政治団体とそれらの団体の勢力について紹介しています。

なお、補足情報ですが、官報で検索した範囲では、今回の「立憲改進党」の直近に総務省に「立憲」という名称の政治団体の設立の届出が出されたのは2010年代で、何と、これは当ブログでも何度も紹介した伝説的インディーズ候補山口節生が設立した「立憲改進党」という団体です。この山口節生の「立憲改進党」の選挙の様子は当ブログでも紹介しています。

actin.hatenablog.com

今回の参考文献情報は以下の通りです。

・杉原泰雄 編, 新版 体系憲法辞典, 青村書店, 2008.
・間柴泰治, 柳瀬晶子, 主要政党の変遷と国会内勢力の推移, レファレンス, 2005, 651.
国立国会図書館 レファレンス共同データベース 「日本国憲法は立憲主義の立場に立っていると政治家は言っている……」(閲覧日: 2017-10-02)
wikipedia日本語版「第1回衆議院議員総選挙」(閲覧日: 2017-10-02)
wikipedia日本語版「第16回衆議院議員総選挙」(閲覧日: 2017-10-02)
wikipedia日本語版「第17回衆議院議員総選挙」(閲覧日: 2017-10-02)
wikipedia日本語版「第18回衆議院議員総選挙」(閲覧日: 2017-10-02)
wikipedia日本語版「第19回衆議院議員総選挙」(閲覧日: 2017-10-02)
wikipedia日本語版「第20回衆議院議員総選挙」(閲覧日: 2017-10-02)
wikipedia日本語版「立憲養正會」(閲覧日: 2017-10-02)

高橋正明の選挙公報(2015年富田林市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を再編集したものです)

今回は2015年4月26日に行われた大阪府富田林市議会選に立候補した高橋正明を紹介します。この人物は2011年の富田林市長選と大阪府知事選に立候補した候補で、富田林市長選ではアメリカに貸している六百兆円を返させる千歳一遇*1の今、秘策あり。市長に就任した後、ただちに公表する」と主張したり、大阪府知事選の時には父親がソ連軍を震え上がらせ「アムールの鷹」と呼ばれていたエピソードを突如述べ出すといったことをしていました。この時の活動については以下の記事を参照してください。

actin.hatenablog.com
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また、当ブログでも紹介した様々なインディーズ候補の戦いを取り上げた『映画「立候補」』では2011年の選挙中に中学の同級生と会えて喜んだり、娘に面白い父親と思われたいなどのほほえましい光景を見ることができます。

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今回の高橋正明の選挙公報を上に示しました。今回は教育政策に重点を置いているほか、20代の人に呼びかけるようなメッセージも見られ、全体的に若者をターゲットにしている感があります。また、今回は特にアメリカの借金を取り立てる秘策やアムールの鷹発言などのあれ?と思わせるようなフレーズは見られないのも興味深い所です。このような選挙活動をした高橋正明ですが、得票数261票(総有効投票数42,746票、無効票513票)で24人中24位(定数19)で落選という結果に終わってしまいました。