Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

宮腰たかふみの選挙公報(2015年多摩市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

今回は2015年4月26日に投票が行われた東京都の多摩市議会選に立候補した宮腰たかふみを紹介します。

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宮腰たかふみの選挙公報を上に示します。宮腰たかふみは元ラブホテル店長という異色の経歴を持ち、このような経歴をもっているせいか、「恋愛都市宣言」という一味変わった形での少子高齢化対策を訴えています。

この恋愛都市宣言の具体的な政策として6つの政策を挙げていますが、婚活イベントやデートスポットを作るために街頭での音楽やアートなどのパフォーマンスの応援、多摩市で結婚式をサポートするといった無難なところから恋愛相談所の設立、カップル客優遇店の促進といった、ちょっとユニークなもの、そして社内恋愛推奨企業の促進という、いったい、具体的にどういうことをやるのか謎な政策を訴えています。このような恋愛都市宣言の政策を進めることで、市内でカップルが生まれて家庭が作られ、その家庭から子供が生まれ、その子供が育って、また多摩市で家庭を築くというサイクルを確立させたいという旨のことを述べています。

このような恋愛都市宣言というユニークな政策を訴えた宮腰たかふみですが、得票数257票(総有効投票数57,144票、無効票815票)で37人中37位(定数26)という結果に終わっています。

松本しげたかの選挙公報(2015年甲府市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

前回の記事にて内容は無難なものの、デザインが変わっている選挙公報を紹介しました。

actin.hatenablog.com

今回紹介する2015年4月19日に投票が行われた山梨県甲府市議会選に立候補した松本しげたか選挙公報もこのような変わったデザインの選挙公報です。

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上に選挙公報を示しましたが、一目見て、これは変わっていると感じさせます。何と自分の名前に関する部分と「常識」という文字以外は180度回転させた状態になっているのです。このようなデザインになっているのは、選挙公報の左端に書いてあるように「今の常識をひっくり返せ」ということだと思われます。

この180度回転させた部分の内容を読み解いてみましょう。近隣の自治体である笛吹市は中学生まで医療費が無料であるものの、甲府市の医療費無料は小学生までなので、笛吹市と同レベルにするということを訴えていました。このように内容としては無難なものですが、有権者の目を引き付けるインパクトとしては非常に強烈なものがありました。

このようなインパクト抜群の選挙公報を示した松本しげたかですが、得票数141票(総有効投票数70,317票、無効票960票)で44人中44位(定数32)で落選し、いまいち振るわない結果となってしまいました。

川崎まさかずの選挙公報(2015, 2019年小田原市議会選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を加筆、再編集したものです)

書いている内容が比較的普通な感じであっても、デザインが明らかに普通とは異なる選挙公報というものは散見されます。今回紹介する2015年4月26日に投票が行われた神奈川県の小田原市議会選に立候補した川崎まさかず選挙公報はまさにその好例です。

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上に選挙公報を示しましたが、どうもインタビューを受けた新聞記事と思われるものを切り取って貼り付けています。プロの新聞編集の手が入っていることを考えると、ある意味、合理的ではありますが、それでも異様さは感じます。なお、内容としては観光やコミュニティバス、福祉関連の政策を訴えていて、特に突飛なことを訴えることなく、まじめな政策を語っています。

このような不思議な選挙公報であった川崎まさかずは得票数968票(総有効投票数65,487票、無効票1,029票)で31人中29位(定数28)で次点と大健闘しただけではなく、さらにはここで思わぬことが起きました。この選挙で当選した野坂稔という人物が選挙から約1か月半後の6月9日に急逝してしまったのです。地方議会選では選挙をした日から3か月以内に欠員が生じた場合、次点候補者が繰り上げ当選するということが公職選挙法で規定されているため、川崎まさかずは繰り上げ当選となったのです。

そして、小田原市議会議員を1期務めた川崎まさかずは現職として、2019年4月21日に投票が行われた小田原市議会選に立候補しました。この時の選挙公報は下に示したようにレイアウトもまっとうな選挙公報となっていました。

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ただ、肝心の選挙結果ですが、得票数1,136票(総有効投票数66,417票、無効票1,026票)で、37人中33位(定数27)となり、今回は次点にもなれずに落選してしまいました。