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Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

田村雄二の選挙公報(2013年朝霞市長選)

インディーズ候補

2011年12月に行われた埼玉県の朝霞市議選に立候補した田村雄二という候補者を以前、当ブログで紹介しました。この朝霞市議選の選挙公報では、市議選への意気込みを書かず、何と朝霞市長選への立候補宣言をする、という、なかなか、素敵な内容でしたが、この市議選ではあえなく落選していました。そして、ついに朝霞市長選が2013年2月24日に投開票されましたが、田村雄二は市議会選の宣言をちゃんと守り、市長選に立候補。選挙戦を戦いました。

それでは、今回の田村雄二の選挙公報を下に示します。

前回の朝霞市議選と同様に平成改新という、おそらく1人組織の公認であるという事と元3等陸佐である事を最初にアピールしています。前回もこの自衛官と言う経歴は気になってはいたのですが、この件に関してはこのような記事がありました。

選挙:朝霞市長選 候補者の横顔 /埼玉

 17日に告示された朝霞市長選には現職で3選を目指す無所属の富岡勝則氏(58)と、政治団体代表の諸派新人、田村雄二氏(66)が立候補を届け出た。前回と同様に一騎打ちを展開する両氏の横顔を紹介する。【海老名富夫】(届け出順)

◇2期8年の実績強調−−富岡勝則氏

 「現在は8合目。最後まで登り切るのは大変だが頑張りたい」と2期8年の実績を強調し、3期目への意気込みを語る。「笑顔に出会うまち・朝霞」と名付けた政策集は浜崎地区の健康・福祉の里づくり整備強化。子ども医療費無料化を高校3年まで拡大。基地跡地利用の方向付けなど3項目15柱に及び「取り組む課題は多い」。

 「3期で山を登り切りたい。新山が出ればまた登るかもしれないが」と集大成を強調しつつ「市民から選ばれた、と自慢できる投票率がほしい」。市内に妻子らと7人暮らし。カラオケと食べ歩きが趣味。

◇15カ月予算など掲げ−−田村雄二氏

 前回に続き現職との一騎打ち。「無投票を避け、投票率をアップさせたい」と語る出馬の動機も変わらない。福島県いわき市出身。自衛官の兄の影響で64年に入隊。仙台を振り出しに定年までの42年間に異動した施設は札幌から熊本まで18カ所に及ぶ。

 年度予算を15カ月予算に。大器晩成型の学級編成など独自政策を掲げ「溝沼地区以外から市長を」と自転車で訴える。知人に「村長選に出馬した父似の選挙好き」と、よく言われる。1日2時間、独学の足つぼ療法が日課。献血は400回を数える。市内に1人暮らし。

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富岡勝則(とみおか・かつのり)氏 58 無現(2)
 市長▽市野球連盟会長▽市レクリエーション協会長[歴]市職員▽市議▽県議▽日大

田村雄二(たむら・ゆうじ)氏 66 無新
 政治団体平成改新代表[歴]住宅管理組合役員▽陸上自衛隊3等陸佐・保安警務隊長▽法大

毎日新聞 2013年02月19日 地方版, 選挙:朝霞市長選 候補者の横顔 /埼玉

『知人に「村長選に出馬した父似の選挙好き」と、よく言われる』という部分も気になりますが、自衛官の所に注目すると、42年間も自衛官をしていたとの事です。ただ、ここでちょっとした疑問が湧いてきました。三佐の定年は55歳と定められているのに、田村雄二の入隊年齢を考えると、定年と合わないのです。経歴詐称か、と思いましたが、経歴欄に保安警務隊長、と書かれている所に注目しました。この保安警務隊というのは警務科という、いわゆる憲兵に属する部隊で、警備などの任務の他、儀仗兵という高位の人物の警護や典礼という重要任務を担う部隊で、これに選抜されるためには警務科に必要な特別な審査以外にも、容姿や身長が求められるという、特殊な部隊でもあります。そして、この警務は一般的な職種と異なり、定年が60歳であるため、この経歴が真実である事が伺えます。ちなみに保安警務中隊は全国に5つしかなく、中隊長の階級は三佐である事から、この重要かつ特殊性のある保安警務中隊長として定年を迎えた可能性を強く示唆します。

さて、自衛官としての経歴の考察はここまでにして、政策に移りましょう。市議選の時も訴えていた「溝沼地区以外から市長を」という事を今回も訴えています。さらに今回の市長選では「朝霞市制四拾五年間溝沼地区以外市長が出ていない」という、特定の一地区からしか、市長が出ていないことを問題視しています。市議選の選挙公報では極めて奇異に見えた主張ですが、今回の市長選では非常にまともな主張です。

それ以外の主張も見てみましょう。「年度予算を十五ヶ月予算に変更」というのは奇異に見えますが、これは国政でも何回か行われた、1月から3月までに組んだ公共事業などの大型補正予算と4月から翌年3月までの一般予算を一体化して運用する手法と思われます。また「教育行政 大器晩成型の学級編成」や「行政改革 市職員の定数削減」という主張は非常にまともな主張です。そして、最後に「慢性病患者の手助け」というこれもまともな主張が出てきますが、その下に書いてある「足壷士 家元」という文字から怪しさが顔を出してきます。

この「足壷士 家元」ですが、2011年の朝霞市議選でもこの件に言及しており、「医者の治せない慢性の病気等を八割の確立で改善出来る」(原文ママ)、「夜トイレにはって行っていた九十歳の女性が、今では朝一時間の散歩ができる」という怪しい健康法の宣伝のような文章が躍っていました。そして、今回ですが、「慢性疾患は病気ではない 膝の痛いのも、腰の痛いのも、高血圧も、腱鞘炎も、腎臓病も、肝硬変も喘息も病気ではない、だから医学では治せないんだ」という、前回以上にパワーアップした文章が飛び出します。そして、「これらの疾患を改善する方法は、私が分かっているので皆様に教える」というドクター中松の発明ばりの発言が飛び出し、「健康保険が使えるようにする」という言葉で締めています。この「足壷士 家元」ですが、他政策と異なり、詳しい文章が記されている事や、前回と同様に足壷に関わる部分が選挙公報全体の半分程度を占めており、この足壷にかなり力を入れている事が示唆されます。

さて、選挙結果ですが、上のニュースでも書いてあったように現職の富岡勝則との一騎打ちで、富岡勝則が20,031票に対し、田村雄二は2,527票(得票率11.38%)という結果に終わってしまいました*1。前回の朝霞市長選も同様に現職の富岡勝則との一騎打ちでしたが、その際の得票率は16.41%(20,165票 対 3,958票)*2であった事を考えると、今回は結構、得票率が低下してしまった事が分かります。今回で市長選、市議選合わせて3回目の選挙挑戦であった田村雄二ですが、今後も朝霞でどのような政治活動をするのか、目が離せない所です。