Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

杉田健の選挙公報(2011年東京都知事選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2011年夏号』に掲載した文章を再編集したものです)

今回紹介するのは2011年4月10日に投票が行われた東京都知事に立候補した杉田健です。この杉田健は無所属ではなく「新しい日本」という自分が作ったと思われる政治団体所属で立候補しています。

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上に選挙公報を示しましたが、左に方位磁石がいくつも描いてある個性的な内容が目を引きます。そして、この方位磁石のところの文章を見てみると「多くの方がご存じのように方位磁石がバラバラの方向を指しています。多くの方がご存知のように、これらの"電磁波"は、大型洗濯機のモーターも停めてしまう強さです。私たちに節電を呼びかける一方で、なぜこのような馬鹿げたことをまだ、やめられないのでしょうか?もう、終わりにしましょう。」という謎の文章があります。選挙公報だけでは一体何かわかりませんが、この方位磁石と謎の文章が書いてある理由は政見放送やネットの様々な場所にアップされている映像等から分かってきます。


[字幕]2011都知事選政見放送 11 杉田健

上に示した政見放送を見てみましょう。しばらく無難な政治の話をしていましたが、最後に突如、人体を蝕む強力な電磁波発生装置が数十年来東京の街中に埋まっており、このことをバラバラの方向を指している方位磁石は示している、全てを明らかにして廃棄すべきという旨のことを発言しています。


都知事選候補者杉田健氏電磁波問題訴えpart1


都知事選候補者杉田健氏電磁波問題訴えpart2

さらにこの電磁波問題については記者会見まで行っており、上に示した映像でその内容を見ることができます。記者会見ではたくさんの方位磁石を机の上に並べて、電磁波問題の説明を行ったり、この電磁波問題について総理大臣や国会議員への公表を行ったことを述べたりしています。

この他、本人のウェブサイトでも主張を見ることができます。このウェブサイトの面白い点として、PC版携帯電話版の2種類があるのですが、PC版は紙芝居の様な形式で非常に見づらい一方で、本来であればPC版の簡易版に位置付けられるであろう携帯電話版は普通の形式で見やすく、さらにはPC版より情報が多いことです。また、この本人のウェブページによると、どうも、この東京都知事選だけではなく、今後の衆議院選、参議院選など国政に関与する意欲があるようで、今後の動きが非常に注目される候補でしたが、この東京都知事選以降は特に動きはなく、その点は残念と言えます。

なお、選挙結果ですが、得票数5,475票で11人中8位で驚くべき事に前回の記事で示したマック赤坂より票を得ています*1

ちなみにこの杉田健が同じ場所で複数の方位磁石を設置すると、バラバラの方向を指すと主張している点ですが、特にトリックが無く、真実であるとした場合、方位磁石同士が干渉し合ってバラバラの方向を指している可能性が大きいと思われます*2