Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

矢田宗雄の選挙公報(2021年川辺町長選)

今回は2021年4月25日に投票が行われた岐阜県の川辺町長選に立候補した矢田宗雄を紹介します。

選挙に立候補するには家族がいれば家族の理解も必要です。立候補に強い意欲を示していたものの、家族の理解が得られず、立候補を断念したという事例も存在します。今回紹介する矢田宗雄も選挙公報上で家族について述べています。

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その選挙公報を上に示しましたが、いきなり「家族会議で言われました 家族の幸せが大事か?町民の幸せが大事か?」と記載しており、立候補をするにあたり、家族ともめた可能性を強く示唆しています。これに対する、矢田宗雄の回答は「私には両方とても大事です」とのことで、立候補をしたようです。

その後の文章では「町長には少し私のようなパァーな人がいい」と述べ、少しパァーな人が良い理由として「その方が町が明るくなり ワクワク・ドキドキ楽しいこと おもしろい事の玉手箱(玉手町)」と述べて、特に具体的な政策を提示せずに終わっています。

このようにかなり個性的なインディーズ候補臭の漂う選挙公報ですが、実はこの矢田宗雄には驚くべき経歴がありました。それは2007年と2011年の川辺町議会選に当選し(このうち、2011年は無投票当選)、1年ではあるものの議長を務めたこともあるというものです。なお、2015年に岐阜県議会選 加茂郡選挙区に立候補し、この時は現職の自民党候補と一騎打ちとなり、6,996票獲得したものの落選しています(当選候補の得票数は15,408票)。その後、選挙活動は確認されておらず、今回の川辺町長選が約6年ぶりの選挙立候補となります。

なお、本人のウェブページと思われるものがあり、ここには今までの経歴や具体的な政策が記載されています。例えば、町議会議員時代は議長を1年、総務委員長を2年、監査委員を3年していたということやライトノベルの「のうりん」を挙げ、PR活動をしていたことなどが紹介されています*1。また、選挙公報には記載されていなかった具体的政策も紹介されており、一番自信があるという企業誘致や道路整備、子育て支援の充実、子供が生まれた際のお祝い金支給の増額、学校給食の無償化などを訴えていました*2

また、本人のウェブページをよく見てみると、かなり気になる文章を発見しました。それは「今回、私は寺も捨て、家も捨て、家族も捨て 今まで得てきたもの全てを捨てて出馬の決心をしました」というところです*3選挙公報では立候補にあたり家族と何らかのもめごとがあったことを強く示唆する文章がありましたが、その後がかなり不穏な感じとなっていることを強く示唆しており、家族とどうなってしまったのか、かなり不安になります。

このように議長経験もある元町議という経歴を持っていた矢田宗雄ですが、町長選の結果は4人が立候補する激戦の中、435票を獲得したものの、4人中4位で落選しています*4

よもぎさわ よこぼり(蓬沢博亮)の選挙公報(2021年伊勢崎市長選)

今回は2021年1月27日に行われた群馬県の伊勢崎市長選に立候補したよもぎさわ よこぼり選挙公報を紹介します。

この人物の現在の本名は蓬澤博亮ということが判明していますが*1選挙管理委員会の届け出は「よもぎさわ よこぼり」で行っています*2。この「よこぼり」はどこから来ているかという問題ですが、どうも以前の名字が横堀とのことで*3、ここから来ているようです。

それでは選挙公報を下に示します。

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『90歳の誕生日に「人生で後悔していることは何?」と聞かれ、「70歳のときにバイオリンをあきらめたこと」と答えた方がいる』という謎のエピソードを紹介し、ここから、チャレンジは何歳でもできるとして、チャレンジし続ける街を作りたいということのみが記載されています。

このチャレンジし続ける街ということ以外は選挙公報には具体的な政策が示されていませんが、本人のブログや伊勢崎ニュースの記事を見ると、チャレンジの真意や政策が示されています。

ameblo.jp

www.press-isesaki.com

これによると『「何回でもチャレンジできる社会」=「失敗を許容する社会」』の実現とのことでこの社会を実現するための具体的な政策として、学びの場の運営や人間関係、人権意識について、制度変更などといったことを提示したほか、観光分野で花火大会の復活などを提示しています。また、過去に立憲民主党の公募に応募していたことも記されているほか、本人のブログでは様々な選挙戦についての報告をしており、興味深い内容となっています。

さて、このようなチャレンジを前面に押し出した選挙公報を記載したよもぎさわ よこぼりですが、得票数2,149票(総有効投票数49,971票、無効票678票)で3人中3位で落選*4という結果に終わってしまいました。なお、上記の本人のブログによると2022年4月の伊勢崎市議会選への立候補の意欲を示しており、今後の活動が期待されます。

さととしろうの選挙公報(2021年磐田市議会選)

今回は2021年4月18日に投票が行われた静岡県磐田市議会選に立候補したさと としろうを紹介します。

下に選挙公報を示しましたが、顔写真と名前、生年月日、年齢以外は「島津学習塾を開校させたい。新しい政党を作り、そこから国会議員に当選させたい。」とだけ記載されており、市議会選なのにもかかわらず、政治塾の開校と新党の結成、国会議員を当選させたいとだけ主張する謎の選挙公報となっています。

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さて、市議会選挙で国政選挙への意欲を示しただけの謎の選挙公報を示したさと としろうですが、得票数は156票(総有効投票数65,409票、無効票885票)*1で28人中28位(定数26)で落選という結果に終わっています。