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Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

選挙公報が発行されない県議選

規模の大きい自治体の選挙だと当たり前のように発行されている選挙公報ですが、規模の小さい自治体の選挙であると選挙公報は発行されない事がしばしばあります。しかしながら、都道府県議選というかなり大きい規模の選挙であっても、選挙公報を発行していない県が見られる事があります。各候補の政治的主張を平等に掲載および有権者に配布し、有権者が投票の参考にする重要なツールの1つである選挙公報の発行はどのように規定されているのか、公職選挙法を見てみましょう。

選挙公報の発行)
第百六十七条  衆議院小選挙区選出)議員、参議院(選挙区選出)議員又は都道府県知事の選挙においては、都道府県の選挙管理委員会は、公職の候補者の氏名、経歴、政見等を掲載した選挙公報を、選挙(選挙の一部無効による再選挙を除く。)ごとに、一回発行しなければならない。この場合において、衆議院小選挙区選出)議員又は参議院(選挙区選出)議員の選挙については、公職の候補者の写真を掲載しなければならない。
2  都道府県の選挙管理委員会は、衆議院比例代表選出)議員の選挙においては衆議院名簿届出政党等の名称及び略称、政見、衆議院名簿登載者の氏名、経歴及び当選人となるべき順位等を掲載した選挙公報を、参議院比例代表選出)議員の選挙においては参議院名簿届出政党等の名称及び略称、政見、参議院名簿登載者の氏名、経歴及び写真等を掲載した選挙公報を、選挙(選挙の一部無効による再選挙を除く。)ごとに、一回発行しなければならない。
3  選挙公報は、選挙区ごとに(選挙区がないときは選挙の行われる区域を通じて)、発行しなければならない。
4  特別の事情がある区域においては、選挙公報は、発行しない。
5  前項の規定により選挙公報を発行しない区域は、都道府県の選挙管理委員会が定める。

(中略)

(任意制選挙公報の発行)
第百七十二条の二  都道府県の議会の議員、市町村の議会の議員又は市町村長の選挙(選挙の一部無効による再選挙を除く。)においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、第百六十七条から第百七十一条までの規定に準じて、条例で定めるところにより、選挙公報を発行することができる。

e-gov 法令データ提供システム 公職選挙法(注:文中太字は原文にはなく編集したもの)

このように選挙公報の発行が法的に義務付けられているのは国政選挙衆議院参議院)と都道府県知事選のみでそれ以外の都道府県議会選、市町村議会選、市町村長選においては発行は各自治体に任されており(より正確に言えば、条例によって定めるので各自治体の議会が決定する事になります)、自治体の規模の大小によって、選挙公報の発行が定められているわけではありません。

さて、それではタイトルでも示しましたように、選挙公報の発行が任意となっている中では大きい単位の選挙である都道府県議会選の選挙公報の発行状況に注目してみましょう。

現在、都道府県議会選において、選挙公報を発行していない都道府県は新潟、山梨、岐阜、愛知、福井、岡山、広島、山口の8県となっています。なお、2011年の統一地方選時に同様の調査をした時には、この8県の他に福岡、熊本、沖縄の3県でも選挙公報が発行されていませんでした。この8県の注目すべき点として、都道府県人口4位の愛知県で選挙公報が発行されていない事、中国地方において人口規模の少ない鳥取、島根では選挙公報が発行されているのにそれ以外の県では選挙公報が発行されていない事、発行していない県が中部地方や中国地方に集中しており、地域性があるのではないかという事が挙げられます。

選挙公報は候補者の具体的な政策を有権者が把握する上で重要なツールであり、市町村議会選と比較すると都道府県議会選は候補者と住民の距離がある事から選挙公報の重要度はかなり高いと思われます。コスト等の問題もありますが、これら8県においては、今後、選挙公報の発行を積極的に検討していただきたいものです。