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Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

開票所と投票所

10月18日の記事で紹介した福島未来ちゃん以外にも福島県の選挙の話題は多々あります。というか、本来はこれらの話題を紹介しようと思って、色々と調べていたら、福島未来ちゃん続投という話題を発見したという事情があり、そういう意味では福島未来ちゃんの方がおまけだったりします。おまけ付きお菓子において、本体のお菓子よりおまけの方がメインに見える、という事はしばしば見られる事ですし、今回の記事もそのような感じと言う事でご了承ください。

そのメインの話題ですが、今回の福島県議会選は震災の影響で役場機能が別の自治体に移転している自治体がいくつかあります。役場が移転している、という事は選挙管理委員会も移転している事になり、選挙事務も別の自治体で行う必要が出てきます。そこでこのような記事が。

浪江町 県議選開票を結婚式場で

原発事故の影響で役場の機能を福島県二本松市に移している浪江町は、来月の県議会議員選挙で開票所に使う公共施設が確保できず、民間の結婚式場を利用することになりました。福島県選挙管理委員会では「開票所として結婚式場が使われる例は聞いたことがない」と話しています。

福島県では、原発事故の影響で11の市町村が警戒区域計画的避難区域に指定されていて、来月20日の県議会議員選挙は多くの住民が避難するなかで行われます。各自治体は、投票や開票に使う会場を確保するのが課題で、このうち、町の全域が警戒区域計画的避難区域に指定されている浪江町は、17日、避難先の二本松市内にある仮の役場で選挙管理委員会を開きました。この中では、二本松市内の公共施設はいずれも投票日当日、ほかの行事が入っていて使えないことから、民間の結婚式場を借りて、県議会議員選挙と同日に行われる浪江町長選挙の開票所とすることを決めました。浪江町選挙管理委員会の吉田厚志さんは「公共施設をいろいろ探して見つからなかったので、結婚式場の協力を得ることができてよかった。ほかにも難しい課題がたくさんがあるが、無事に選挙を執行できるよう努めたい」と話しています。福島県選挙管理委員会では「開票所として結婚式場が使われる例は聞いたことがない」と話しています。

NHKニュース 10月18日 浪江町 県議選開票を結婚式場で

軍が他国を占領した際にホテルなど民間の建物を司令部にする、という事は見られますが、結婚式場を開票所にする、というのは今回が初のようです。基本的に開票作業と言うのは体育館や市民ホールのような大きなスペースを必要としますが、このような事になった事情は以下の理由があったようです。

 二本松市に役場機能を置く浪江町は町民の避難先が分散しているため、投票所が二本松、福島、本宮、桑折の4市町にまたがる。「ばらばらの地域に職員を配置するため、投票箱を集約する際などの交通事故が心配」と町幹部は神経をとがらせる。
 町民はどこでも投票可能で、二重投票を防ぐため投票所間の連絡体制づくりが急務となっている。また、福島市の市北信支所は避難者にはなじみが薄く、どう周知するかも課題だ。
 開票所は当初見込んでいた地元の体育館が二本松市の投票所になるため使用できず、市内の結婚式場「ウェディングパレスかねすい」となった。1階の2つの宴会場の間仕切りを取り払って使う。

福島民報 2011年10月21日 【県議選投開票】投票所分散、長距離移動 自治体、準備手探り「想定通り進むのか」

また、役場機能が別の自治体に移転した、という事はその自治体内の大半の住民も別の自治体に避難しているわけで、投票に関しても問題になります。

みつばちの目:異例の選挙戦

2011年10月14日
11月20日に投開票される県議選と町長選、市町村議選に向けた選挙管理委員会の事務作業が本格化している。原発事故の影響で、これまでにない異例な光景が続出する選挙戦となりそうだ。
 役場機能を埼玉県加須市に移転した双葉町は、投票所を郡山市加須市に設置。加須市で開票するため、郡山市から3時間かけて投票箱を運ぶ。県議選、町長選、町議選のトリプル選挙となる大熊町も、3種類の投票箱をいわき市から開票所のある会津若松市へ運ぶ。ともに長時間の移動だけに、安全な運搬態勢づくりを模索している。
 仮設住宅や借り上げ住宅などに避難している有権者に、候補者の政策や投票所などの情報を正確に伝えることも難題の一つ。県選管はホームページの活用や選挙公報の発送を早めるなど、これまでにない対策も取る。
 民主主義の根幹となる選挙が適正に行われることは、疲弊する福島再建の大きな一歩になると期待したい。(紺野信幸)

朝日新聞 2011年10月14日 みつばちの目:異例の選挙戦

双葉町の場合、避難住民全てが加須に避難していれば、加須のみに投票所を設置すればいいのですが、全住民を一自治体に避難させる訳にもいかないので、比較的避難住民が多い自治体にも投票所を設置する必要が出てきます。開票所が結婚式場になった浪江町やこの記事に書いてある大熊町の場合は開票所と投票所が同一県内な上に比較的近い地域にありますが、双葉町の場合は福島の郡山と埼玉の加須であり、栃木県を縦断しなくてはいけ無い位、距離があります。投票所と開票所が異なる都道府県に設置されるのは初めてのようですが*1、ここで個人的に気になったのは、本来の選挙区とは別の所に投票所や開票所を設けて良いのか、という点でした。そこで、公職選挙法読んでみたのですが、投票所や開票所について規定されている条文はこんな感じでした。

第三十九条  投票所は、市役所、町村役場又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。
第六十三条  開票所は、市役所、町村役場又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。

e-Gov法令データ提供システム 公職選挙法

他の条文や施行令を読んでも、その場所についての規定が(読んだ限りでは)見つかりませんでした。これは緊急事態でなくても投票所や開票所を当該自治体とは全く関係ない所に設置するのも、選挙管理委員会が決定すれば公職選挙法的には可能である事を示します。ふと、投票所や開票所をその自治体とは関係ない、とんでもない所に設置する事で、何か良からぬ事ができるのではないか、と思ったりしました。

実は福島の選挙に関しては、まだ、いくつか話があるのですが、少し長くなったので、今回の記事もここで一旦、区切ります。