Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

開票所と投票所

10月18日の記事で紹介した福島未来ちゃん以外にも福島県の選挙の話題は多々あります。というか、本来はこれらの話題を紹介しようと思って、色々と調べていたら、福島未来ちゃん続投という話題を発見したという事情があり、そういう意味では福島未来ちゃんの方がおまけだったりします。おまけ付きお菓子において、本体のお菓子よりおまけの方がメインに見える、という事はしばしば見られる事ですし、今回の記事もそのような感じと言う事でご了承ください。

そのメインの話題ですが、今回の福島県議会選は震災の影響で役場機能が別の自治体に移転している自治体がいくつかあります。役場が移転している、という事は選挙管理委員会も移転している事になり、選挙事務も別の自治体で行う必要が出てきます。そこでこのような記事が。

NHKニュース 10月18日 浪江町 県議選開票を結婚式場で

軍が他国を占領した際にホテルなど民間の建物を司令部にする、という事は見られますが、結婚式場を開票所にする、というのは今回が初のようです。基本的に開票作業と言うのは体育館や市民ホールのような大きなスペースを必要としますが、このような事になった事情は以下の理由があったようです。

福島民報 2011年10月21日 【県議選投開票】投票所分散、長距離移動 自治体、準備手探り「想定通り進むのか」

また、役場機能が別の自治体に移転した、という事はその自治体内の大半の住民も別の自治体に避難しているわけで、投票に関しても問題になります。

朝日新聞 2011年10月14日 みつばちの目:異例の選挙戦

双葉町の場合、避難住民全てが加須に避難していれば、加須のみに投票所を設置すればいいのですが、全住民を一自治体に避難させる訳にもいかないので、比較的避難住民が多い自治体にも投票所を設置する必要が出てきます。開票所が結婚式場になった浪江町やこの記事に書いてある大熊町の場合は開票所と投票所が同一県内な上に比較的近い地域にありますが、双葉町の場合は福島の郡山と埼玉の加須であり、栃木県を縦断しなくてはいけ無い位、距離があります。投票所と開票所が異なる都道府県に設置されるのは初めてのようですが*1、ここで個人的に気になったのは、本来の選挙区とは別の所に投票所や開票所を設けて良いのか、という点でした。そこで、公職選挙法読んでみたのですが、投票所や開票所について規定されている条文はこんな感じでした。

第三十九条  投票所は、市役所、町村役場又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。
第六十三条  開票所は、市役所、町村役場又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。

e-Gov法令データ提供システム 公職選挙法

他の条文や施行令を読んでも、その場所についての規定が(読んだ限りでは)見つかりませんでした。これは緊急事態でなくても投票所や開票所を当該自治体とは全く関係ない所に設置するのも、選挙管理委員会が決定すれば公職選挙法的には可能である事を示します。ふと、投票所や開票所をその自治体とは関係ない、とんでもない所に設置する事で、何か良からぬ事ができるのではないか、と思ったりしました。

実は福島の選挙に関しては、まだ、いくつか話があるのですが、少し長くなったので、今回の記事もここで一旦、区切ります。