Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

選挙ドットコムさんに寄稿しました(テーマ: 得票0票について)

選挙情報サイトの選挙ドットコムさんに以下の記事を寄稿しました。

go2senkyo.com

今回は2017年4月23日に投票が行われた新潟県阿賀町議会選に立候補した後藤英雄氏の開票終了時の得票が0票であったことから、得票0票はあり得るのかということについて紹介しています。

今回の補足説明です。

記事中において、地方議会選では被選挙権の条件として、その選挙の選挙権が必要であるため、地方議会選でその人物の投票とカウントされた票が1票もない完全な0票は基本的にありえない旨を述べました。総務省もこのような例は聞いた事が無いと述べていますが、驚くべきことに今回、東京都の過去の選挙を調査した結果、若郷村という自治体で1951年に行われた村議選で1例だけ確認することができました。

しかしながら、前例があるとはいえ、今回の阿賀町議会選の後藤氏の件に関しては、疑問が残ります。この若郷村の人口は600人程度であり、この1951年の村議選においても、投票総数は300票程度でした。一方、阿賀町の人口は1万人以上もおり、投票総数は7,854票と規模が明らかに違います。このようなことから、今回の阿賀町議会選において、本当に後藤氏とカウントされた票が0票であったのかという点に関してはかなり疑問が残ります。これに関しては、開票に何らかの不正、あるいはミスがあったのではないかという調査が必要なのではないかと考えられます。ただし、投票総数に対する無効票の割合は前回の2013年の議会選も今回の議会選も約1.3%とほぼ変化がない点は注目する必要があります。

なお、今回の記事および補足説明の参考文献情報は以下の通りです。

町議選で新人候補の得票ゼロ…自身の投票無効か, 読売新聞 2017年04月24日 11時05分.
新人候補の得票0票 本人投票は無効?, 毎日新聞 2017年04月24日 21時48分.
阿賀町議選に「得票ゼロ」, 新潟日報モア 2017年4月24日18時35分.
・東京都選挙管理委員会, 地方選挙の記録(昭和26年4月執行), 東京都選挙管理委員会, 1951.
・東京都選挙管理委員会, 地方選挙の記録(昭和30年4月23日・30日執行), 東京都選挙管理委員会, 1955.
・東京都選挙管理委員会, 地方選挙の記録(昭和34年4月・6月執行 付:地方選挙の記録 34年1月~9月(除4月)), 東京都選挙管理委員会, 1959.
・東京都選挙管理委員会, 地方選挙の記録(昭和38年4月執行 付:地方選挙の記録 38年1月~9月(4月を除く)), 東京都選挙管理委員会, 1963.
・東京都選挙管理委員会, 地方選挙の記録(昭和42年4月執行 付:地方選挙の記録 41年2月~42年11月), 東京都選挙管理委員会, 1968.
選挙ドットコム, 阿賀町議会議員選挙 立候補者情報(2013年04月21日).
阿賀町, 阿賀町議会議員一般選挙一般選挙の結果について.