今村昭一の選挙公報(2012年衆議院選:三重2区)
遅れてしまいましたが、2012年12月16日に行われた衆議院選挙に立候補したインディーズ候補を紹介しようと思います。
まずは三重2区*1の今村昭一を紹介しようと思います。調べた限りでは、今回が初挑戦の人ですが、並み居るインディーズ候補を押しのけて、いの一番に紹介する理由としては、ポスターを撮影する事が出来た、という事だったりします。
さて、それでは、まずは選挙公報を下に示します。
インディーズ候補にしばしば見られる、手書きの選挙公報ですが、字体や大きさ、たまに斜めになっている文字など、個人的にはある種のアジビラのように感じた位のインパクトのある選挙公報です。そして、肝心の内容ですが、いきなり、「変 何か変」と、インパクトのある掴みからスタートしており、なかなか期待が出来る選挙公報です。
さらにこの選挙公報の内容を精査してみましょう。まず、「洪水 堤防がきれる!」とインパクトのある文字で書いてありますが、それに対しては「予算がありません」 とそっけない答えが。さらにその次には「下水道作れ作れ!」と書いており、それに対しては「金はなんぼでもある」とついさっきの洪水の所とは全く逆の回答が。そして、最後には「減反せよ!」という文章に対して、「米の値が高い!」と減反推進とは矛盾するような文章が書いてあります。
予算が無いと書いたその次に金はなんぼでもある、と書いたり、米の値が高いのに減反を主張するとは、これはなかなか素敵な候補者だな、と思いつつ、ポスターを撮りに行きましたが、ポスターを見た時に、この選挙公報の内容の理解のとっかかりが見えました。それでは、下にそのポスターを示します。
白地の面積が多く、手書きで自分の名前と伝えたい事をシンプルに大きく書き、写真の面積は控えめという、インディーズ候補的なポスターですが、このポスターの伝えたい事の部分に注目です。ここには「洪水から命を守る」と書いてあり、選挙公報で「洪水 堤防がきれる!」に対して、「予算がありません」と洪水対策を断念しているような文章とは矛盾します。さらに次の下水道の部分ですが、産経新聞の候補者アンケートにこの事が言及されていました。
【衆院選2012 三重】 2区 候補者アンケート(届け出順)、産経新聞、2012.12.7 02:06
ここでも洪水対策をすべき、と具体的な河川を挙げて、主張しています。そして、最後に無駄な下水道事業は廃止、と主張しています。この事から、選挙公報でどのような事が主張したかった、という事が分かります。つまり、洪水対策を要求しているのに行政は「予算がありません」と言い、一方、下水道事業は「金はなんぼでもある」と言わんばかりに進める事が「変 何か変」と主張しようとしていたのです。そして、この流れで読み取ると、最後の部分も米の値が高いにも関わらず、減反を進めようとしている行政が「変 何か変」と異議を唱えている事が分かります。
このように良く読み取ると、奇抜な事を主張しているわけではなく、実体験に基づいた洪水対策と減反の中止*2という至極真っ当な事を主張をしていたのです。
このような主張をしていた今村昭一ですが、立候補者5人中5位であったものの、総有効投票数185,220票中3,756票(得票率2.03%)*3を獲得し、数字上では2%程度の得票率であったものの、他の候補者が民主、自民、維新、共産という、全国政党に所属する候補者数が多い状況下では、なかなかの健闘を示しました。