Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

「あきらちゃんと学ぶ選挙のイロハ」第1回(テーマ: 国政選挙の選挙区について)

この度、「あきらちゃんと学ぶ選挙のイロハ」という選挙の初心者向け解説動画に出演及び内容監修をすることになりました。これは茗水あきらちゃんという元気な感じの女の子に対して、Actin先生という謎のキャラ(画像参照)が説明するという形式の動画です。当然ですが、私は元気な女の子の茗水あきらちゃんではなく、謎のActin先生の声を担当しています。

第1回は以下の動画で、まずは国政選挙の選挙区のルールを説明しています。

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選挙のルール解説のほかにも茗水あきらちゃんの元気でかわいい声*1に対して、私のどうしようにもない声を苦笑しながら楽しんでください。なお、現在の所、衆議院選の投票日までに比例区の基本的なルールと衆議院の重複立候補の解説動画をアップする予定です。よろしければ、茗水あきらちゃんのチャンネル登録とツイッターのフォローをお願いいたします。

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個人的に選挙のルールというのが一般の人が理解されていないと感じており(街にいる人を捕まえて、比例区で議員が当選するルールを説明せよと質問しても答えられる人はそんなにいないと思っています)、このルールが周知されていないのが選挙に参加する人が少ない理由の1つではないかと思っていました。このため、この企画を提案されたときはちょうど良かったと感じました。これから積極的に動画をアップする予定ですので、よろしくお願いいたします。

*1:あきらちゃんの中の人は板谷美霞さんという方です。Twitter: https://twitter.com/mkcrown

選挙ドットコムさんに寄稿しました(テーマ: 議長選の汚職)

選挙情報サイトの選挙ドットコムさんに以下の記事を寄稿しました。

go2senkyo.com

静岡県富士宮市議会では9/7に当時の議長が議長選で汚職をしたとして逮捕され、9/9には議員辞職をしました。

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このような議長選の汚職は地方議会ではたまに見られ、その中には多数の議員がかかわっていて、複数の議員が逮捕されるなどして大混乱に陥った事例もあります。今回はそのような議長選の大規模な汚職の事例を紹介しています。

なお、記事中で説明しきれなかった補足情報として、1967年茨城県議会選で議長選をめぐる汚職で全国に指名手配中にもかかわらず隠れ家から立候補した候補者についてある程度詳しく説明します。

この人物は当時の鹿島郡選挙区から選出されていた本沢 彦という議員で長老格の議員でした。かなりの額の金銭を受け取っており、立役者の一人とみなされていました。本沢議員は「利権屋議員」との悪評もある一方、県職員を殴ってでも地元のために予算をぶんどってくるとのことで地元人気が極めて高かったようです。この本沢議員は逃走中に逃走先から立候補する、選挙が終わったら出頭するという旨の手紙を警察に送り付けています(なお、この手紙には本沢議員しか知らないような贈収賄事件の内容も書かれていました)。また、選挙が終わったら出頭するという手紙を送ったものの、選挙戦が不利になると考えたのか、選挙期間中に出頭しています。

なお、この茨城県議会の一連の汚職事件ですが、茨城県自民党のドンとなった(そして中村喜四郎と激しく対立した)山口武平もかわわっており、逮捕されて拘置所にいる状態からの獄中立候補をして当選しています。

今回の記事の文献情報は以下の通りです。

茨城県議会が解散 議長選”黒い霧”の責任とる, 朝日新聞 1966-12-07 朝刊, 1.
・議長はカネでつくられる 茨城県議会の解散まで, 朝日新聞 1966-12-08 朝刊, 5.
・「逃走先から立候補」 手配の本沢 県警へ手紙 茨城県汚職, 朝日新聞 1966-12-20 夕刊, 11.
・「39年分」はほぼ固まる 議長選汚職調査, 読売新聞 1966-12-22 茨城朝刊, 16.
・留置上からも立候補 茨城の出直し県議選告示 本沢も逃走先から, 朝日新聞 1966-12-24 夕刊, 11.
・六人が”獄中立候補” 注目の茨城県議選告示, 読売新聞 1966-12-24 夕刊, 1.
・粛正の誓い堅く 県議選スタート まず106人届け出 批判よそに獄中出馬も 読売新聞 1966-12-12 茨城朝刊, 16.
・逃走の本沢、出頭 「事情釈明」と不敵な笑い 茨城県議会汚職, 朝日新聞 1966-12-26 朝刊, 15.
・大胆、不敵なやり方 本沢らに主婦ら鋭い批判, 朝日新聞 1966-12-26 茨城朝刊, 16.
・本沢の出頭 選挙戦有利にするため? 「再選させれば恥」 町民もきびしく批判, 読売新聞 1966-12-26 茨城朝刊, 16.
・否認のまま送検 本沢 不敵、カメラにポーズ, 読売新聞 1966-12-28 茨城朝刊, 18.
・黒い霧追放、もう間近 八日の県議選で”断”, 読売新聞 1967-01-01 茨城朝刊, 16.
・県民の審判くだる 県議選 新顔25人が大量進出 ”黒い霧議員”も8人再選, 朝日新聞 1967-01-09 茨城朝刊, 16.
汚職議員8人も当選 茨城県議選 批判はどこに, 読売新聞 1967-01-09 朝刊, 1.
茨城県議選 黒い霧は晴れなかった 「本沢」も獄中で当選, 読売新聞 1967-01-09 朝刊, 15.
・無所属で当選の茨城県議19人 いっせい自民入党, 読売新聞 1967-01-17 夕刊, 1.
・”黒い霧”正副議長 茨城県会 被告議員たらい回し, 読売新聞 1970-01-18 朝刊, 15.
・議員の半数近く逮捕 10人、議長選で贈収賄 青森・平内町, 朝日新聞 1988-04-12 夕刊 12.
・町政の混乱必至 平内の議長選汚職、町議大量逮捕, 朝日新聞 1988-04-12 青森朝刊, 19.
・町議選前から多数派工作? 平内町の議長選汚職 議長室や事務局捜索, 朝日新聞 1988-04-13 青森朝刊, 19.
・逮捕者、議会の半数に 平内・議長選汚職 また町議一人逮捕, 朝日新聞 1988-04-19 青森朝刊, 19.
・副議長選でも汚職 数人に現金 畑山、対立候補破る 平内, 朝日新聞 1988-04-27 青森朝刊. 19.
・青森・平内町、逮捕議員が半数超す 議長選汚職また3人, 朝日新聞 1988-05-07 夕刊, 10.
・議会マヒ、打つ手なし 平内町議会汚職 逮捕者、三分の二近くに, 朝日新聞 1988-05-05 青森朝刊, 21.
・平内町議会 ドロ沼深く 買収合戦で逮捕町議15人. 読売新聞 1988-05-08 青森朝刊, 22.
議席居座りが確定 汚職初の平内町議会 正副議長は辞任, 読売新聞 1988-05-31 青森朝刊, 22.
・一身上の都合でたらい回し 県議会議長ポストは贈収賄の舞台/埼玉, 朝日新聞 1993-05-29 埼玉朝刊.
・平内町議4人を逮捕 9年前にも逮捕 議長選めぐり贈収賄容疑/青森, 朝日新聞 1997-02-01 青森朝刊.
・平内町議会、補欠選挙へ さらに2町議辞職 議長選贈収賄事件/青森, 朝日新聞 1997-03-05 青森朝刊.
・副議長選で当選へ結託 新会派結成図る? 境港市議2人逮捕/鳥取, 朝日新聞 1997-12-04 鳥取朝刊.
・議長選でも買収工作 市議一人を逮捕 境港市議会/鳥取, 朝日新聞 1997-12-13 鳥取朝刊.
・民意に信を問う 新議会へ(解散 出直しへ 境港市議会)/鳥取, 朝日新聞 1998-01-17 鳥取朝刊.
・刷新へ新市議19人決まる(解散 出直しへ 境港市議会)/鳥取, 朝日新聞 1998-02-23 鳥取朝刊.
・議長選で贈収賄、5容疑者を逮捕 長崎・厳原町【西部】, 朝日新聞 2001-09-26 朝刊 30.
・地縁、血縁に揺れる 町議10人が逮捕の長崎・厳原町【西部】, 朝日新聞 2002-01-10 朝刊, 29.
・ポストの魔力(買われた名誉 児玉町議長選汚職:上)/埼玉, 朝日新聞 2004-10-16 埼玉朝刊, 35.

選挙ドットコムさんに寄稿しました(テーマ: 連記投票制)

選挙情報サイトの選挙ドットコムさんに以下の記事を寄稿しました。

go2senkyo.com

現在の日本の選挙では、どの選挙でも1人の有権者は1人の候補者にしか投票できない単記投票制を採用しています。しかし、過去の選挙では1人の有権者が複数人の候補者に投票できる連記投票制が採用されていたことがあります。

今回は制限連記投票制が採用された1946年の衆議院選を中心に連記投票制について解説しています。

今回の記事の文献情報は以下の通りです。

・制限連記制 投票方法、閣議で決定, 朝日新聞 1945-10-31 朝刊, 1.
・制限連記投票制に 各派挙って反対 少数者の代表を封殺, 朝日新聞 1945-11-01 朝刊, 1.
・「反対される理由なし」 堀切内相 制限連記制の見解, 朝日新聞 1945-11-02 朝刊, 1.
・開票区は市町村区域 制限連記制の細目 閣議決定, 朝日新聞 1945-11-08 朝刊, 1.
・選挙法の改正案 二十八日衆院へ提出 別表はけふ閣議で決定, 朝日新聞 1945-11-22 朝刊, 1.
・社説 選挙法改正案の眼目, 朝日新聞 1945-11-25 朝刊, 1.
・選挙法の修正案 三党で夫々提出 衆院けふ上程可決せん, 朝日新聞 1945-12-11 朝刊, 1.
・改正選挙法の焦点, 朝日新聞 1945-12-12 朝刊, 2.
・選挙法 貴院で再修正不可避 内相、再び修正点論駁, 朝日新聞 1945-12-14 朝刊, 1.
農地法の可決持越し 選挙法改正けふ成立 解散は早ければ十八日, 朝日新聞 1945-12-15 朝刊, 1.
・選挙法改正成立す 各派総選挙態勢に入る, 朝日新聞 1945-12-16 朝刊, 1.
・連記制投票, 読売新聞 1946-03-29 朝刊, 3.
・選挙法を早急改正 中選挙区完全連記制を採用か, 読売新聞 1947-02-09 朝刊, 1.
中選挙区単記制 与党・数て押切るか 修正案あす委員会へ, 読売新聞 1947-03-21 朝刊, 1.
中選挙区単記制 きょう 本会議で決選投票, 読売新聞 1947-03-23 朝刊, 1.
・もめぬく"中選挙区単記制" 議事の進行不能, 読売新聞 1947-03-25 朝刊, 1.
・審議未了の空気濃化 中選挙区単記制・野党の作戦奏功, 読売新聞 1947-03-26 朝刊, 1.
・混乱遂に殴り合い 七名以下一区・二名連記の妥協案 選挙区制問題落着か, 読売新聞 1947-03-27 朝刊, 1.
・妥協破れ対立硬化 中選挙区単記制 修正動議きょうに持越しか, 読売新聞 1947-03-28 朝刊, 1.
中選挙区単記制 衆院過半数で通過, 読売新聞 1947-03-31 朝刊, 1.
・単記制へどう出る婦人代議士 専ら身の上相談で 別れた夫へ地盤を割く, 朝日新聞 1947-04-01 朝刊, 2.
・第九十二議会解散 総選挙の火蓋キル 改正選挙法を公布施行, 読売新聞 1947-04-01 朝刊, 1.
・婦人特集 婦人票と婦人議員, 読売新聞 1962-06-26 朝刊, 7.
・がらりと変わった新制度「落ちても当選」さてだれに 今度の総選挙, 朝日新聞 1996-09-29 朝刊, 18.
・1946年 県初女性代議士誕生(いしかわ百年百話:13)/石川, 朝日新聞 1999-03-02 朝刊 石川.
・久米 郁夫, 川出 良枝, 古城 佳子, 田中 愛治, 真渕 勝, 政治学 補訂版, 有斐閣, 2011.