Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

吉沢弘行の選挙公報(2021年羽村市議会補選)

今回は2021年3月28日に投票が行われた東京都の羽村市議会補選に立候補した吉沢弘行*1を紹介します。

健康に関する問題は選挙における重要な争点の1つです。健康に暮らせるための政策や病気やけがをしてもどのようなサポートがされるといったことは極めて重要です。今回、紹介する吉沢弘行も選挙公報ではこのような健康に関することを大きく紹介しています。

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選挙公報を上に示しました。まず、上に「青春 つづく街 羽村」と大きくスローガン的なものを記載しています。そして、最初に「めざします 青春寿命100才」「めざします 健康寿命110才」と100才まで青春を続けられることを目指すと宣言しています。そして、それに続き「めざします」として「血圧 ガン ウツ ボケ ゼロ」「胃腸病 骨そしょう症 ゼロ」「リュウマチ パーキンソン ゼロ」「花粉症 アトピー ゼロ」と具体的な疾患を挙げてこれらのゼロを目指すと宣言しています。そして、この次にこれの意気込みとして「日本の健康は羽村から」と記載しています。

その後、1文だけ減税について言及した後、日本の現状や医療について短く述べ、「私が見本 寿命は4割延びる」となかなかすごいことを記載しています。そして、「すずめになって羽村の命を守ります」という決意を述べています。

この決意の次は本人のプロフィールに移ります。高校、大学の学歴や職歴を記載し、羽村に40年在住していることを述べています。そして、「健康医学の研究が趣味仕事となり40年」と記載され、その後にこの吉沢弘行の健康法が記載されていました。それは熱いお湯というもので「熱いお湯を研究すれば万病治ると確信する」とお湯が秘訣と述べ、「毎日ちょっぴりお湯を熱くする」「毎日ちょっぴりお湯を長くする」「気づいた時には私のお湯の温度は50度60度」としています。このお湯が何を意味しており、具体的にどのような健康法なのかは良く分かりませんが、「ちょっぴり熱くする」ということと「50度」という温度から、万が一お風呂のお湯だとすればかなり熱いお湯だと思います。そして、この健康法を実践した結果として「私の病気はみんな消えていた」と非常に大きなことが記載されています。そして最後には「コロナに勝つが一番 青春つづく」とし、その前にも書いた「私が見本 寿命は4割延びる」「すずめになって羽村の命を守ります」と記載し、終わっていました。

余談ですが、このように独自の健康術を用いることを選挙公報で述べた候補としては2011年の朝霞市議会選、2013年の朝霞市長選に立候補した田村雄二が挙げられます(この田村雄二は足つぼ健康法を記載している)。

actin.hatenablog.com
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このように独自の健康法を提唱し、「日本の健康は羽村から」と述べた吉沢弘行ですが、得票数2,993票で、他の2人の候補者が当選した1位候補6,756票、次点の候補6,352票(無効票1,950票)という結果になり、健闘はしたものの3人中3位で落選*2という結果に終わってしまいました。

選挙ドットコムさんに寄稿しました(テーマ: リコール署名の偽造事件)

選挙情報サイトの選挙ドットコムさんに以下の記事を寄稿しました。

go2senkyo.com

高須克弥氏などが主導して行っていた大村秀章愛知県知事のリコールの署名について、署名数の約8割の約36万人分の署名が無効になり、署名の大規模な偽造が疑われています。今回はリコール制度の説明の他、過去に起きたリコール署名の偽造事例について、今回の愛知県知事リコール署名のような8割以上の署名が無効となった大規模な偽造事例も含めて紹介しています。

今回の記事の文献情報は以下の通りです。

早大誘致 暗礁に 本庄, 読売新聞 1965-07-13 埼玉版朝刊, 13.
早大誘致で監査請求 本庄市長リコール 新たな段階に入る, 読売新聞 1965-07-28 埼玉版朝刊, 16.
早大誘致問題 リコール中止も 運動派が市会側と会合 本庄, 埼玉新聞 1965-07-28 朝刊, 1.
・反転、署名簿を提出 本庄市長リコール 成立むずかしそう, 読売新聞 1965-07-31 埼玉版朝刊, 16.
・ついに署名簿提出 本庄市長リコール運動, 埼玉新聞 1965-07-31 朝刊, 1.
・市長リコール不成立 本庄 早大誘致運動のもつれ, 埼玉新聞 1965-08-20 朝刊, 7.
・署名簿偽造 きびしく追及 本庄市長リコール, 読売新聞 1965-08-31 埼玉版朝刊, 13.
・偽造リコールの捜査本格化 本庄 全署名簿(選管)を押収, 埼玉新聞 1965-09-01 朝刊, 1.
本庄市長リコール問題 欧州署名簿の仮処分 責任者が地裁に申請, 埼玉新聞 1965-09-03 朝刊, 7.
本庄市長 解職請求は不成立 市選管が正式に告示, 埼玉新聞 1965-09-04 朝刊, 7.
・もつれた早大誘致問題 "偽造リコール"てん末記, 埼玉新聞 1965-09-05 朝刊, 4.
・数千人分を偽造か リコール署名 運動員四人を逮捕 本庄市, 朝日新聞 1965-10-09 朝刊, 14.
・ついに四人を逮捕 本庄の署名簿偽造事件 筆跡が決め手に, 読売新聞 1965-10-09 埼玉版朝刊, 16.
・四収集人を逮捕 本所市長リコール偽造事件, 埼玉新聞 1965-10-09 朝刊, 7.
・榎ら犯行を自供 本庄の署名簿偽造, 読売新聞 1965-10-10 埼玉版朝刊, 16.
・万年筆やエンピツ使い分けて "四人で偽造した" 本所市長リコール 逮捕の榎ら自供, 埼玉新聞 1965-10-10 朝刊, 7.
・代表者を逮捕 本庄 リコール署名偽造事件, 朝日新聞 1965-10-20 夕刊, 8.
・首謀者の榎一夫を逮捕 本庄市長リコール事件, 埼玉新聞 1965-10-21 朝刊, 7.
・解職請求署名に疑問、逗子市長が再審査要求, 朝日新聞 1986-01-20 朝刊, 22.
・激突する直接民主制 リコール合戦に揺れる逗子(時々刻々), 朝日新聞 1986-01-21 朝刊, 3.
・逗子市議に罰金3万円 リコール署名偽造, 朝日新聞 1988-03-04 夕刊, 14.
・無効署名多く、請求不成立 大間々町長リコール/群馬, 朝日新聞 2005-01-18 朝刊群馬, 31.
・町長解職請求は有効 署名、必要数超える 大間々/群馬県, 朝日新聞 2005-07-06 朝刊群馬県央, 31.
・大間々町長、リコール再び不成立 町選管、署名270人分が無効/群馬県, 朝日新聞 2005-07-27 朝刊群馬県央, 31.
・「解職請求に偽造署名」 大間々町長が告発状, 朝日新聞 2005-09-02 朝刊群馬県央, 31.
・リコール署名偽造容疑、告発状受理される 大間々町長ら提出=群馬, 読売新聞 2005-09-02 朝刊群馬西, 33.
・大間々町長解職請求 2町議、署名偽造容疑 地検支部書類送検, 朝日新聞 2006-03-21 朝刊群馬県央, 35.
・大間々町長解職請求 2町議を書類送検 署名偽造の疑い=群馬, 読売新聞 2006-03-22 朝刊群馬西, 35.
みどり市議の2人を略式起訴 リコール署名偽造の罪, 朝日新聞 2006-09-29 朝刊群馬県央, 35.
名古屋市議会リコール調査庁 選管が中間発表 回答間違いは訂正可能 『返送なし』有効に, 中日新聞 2010-11-18 朝刊, 31.
・大村氏、自民に離党届 政党超え乱戦幕開け 知事選 河村氏と連携強調, 朝日新聞 2010-12-04 朝刊名古屋本社, 35.
名古屋市議会リコール署名 「一括意義は一括却下」区選管から強硬意見=中部, 読売新聞 2010-12-04 朝刊中部, 39.
・徹底検証 名古屋市議会リコール署名 混乱続きの3か月半 収集活動 見切り発車, 読売新聞 2010-12-20 朝刊, 23.
知事リコール署名疑惑 代筆?県外?どこまで認められる, 朝日新聞デジタル 2021年2月18日 8時30分.
愛知県選挙管理委員会, 愛知県知事解職請求に係る署名簿の調査の取りまとめ状況について.

下川徹也の選挙公報(2021年北九州市議会選 小倉北区選挙区)

今回は2021年1月31日に投票が行われた福岡県の北九州市議会選 小倉北区選挙区に立候補した下川徹也を紹介します。

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上に選挙公報を示しました。笑顔の顔写真と名前を手書きで記載した以外はやや斜めに「生まれてくれて ありがとう」と手書きで記載するだけの極めてシンプルかつ政策や政治姿勢が良く分からない選挙公報になっています。

なお、この選挙公報ですが、先日紹介した手書きでシンプルな文言を斜めに書くという点が同じ北九州市議会選の小倉南区で立候補した野田靖博の選挙公報に似ています。

actin.hatenablog.com

選挙前からの野田靖博との関係は軽く調べた限りでは不明でしたが、選挙中には無所属候補同士として討論会行った*1ほか、選挙後には勉強会を行っていた*2ようです。

このような選挙公報を示した下川徹也ですが、得票数557票(総有効投票数57,679票、無効票650票)で18人中18位(定数11)で落選という結果に終わってしまいました。