Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

選挙ドットコムさんに寄稿しました(テーマ: 公職選挙法が準用される各種選挙)

選挙情報サイトの選挙ドットコムさんに以下の記事を寄稿しました。

go2senkyo.com

今回は公職選挙法が準用される財産区議会選挙や過去実施された教育委員会選挙などの一般的な選挙とは異なる選挙を取り上げています。

記事中では紹介できなかった情報を2つ紹介します。

1つは教育委員会選挙になり手がいなかった地域で驚くべきことが起きたケースです。1952年の長崎県の南串山村(現・雲仙市)では教育委員の立候補者がいなかったため、青年団や集落代表、村議会議員たちが協議の結果、巣鴨刑務所で服役中の村出身の戦犯を推薦するという信じられないような事が起きました。戦犯には選挙権も被選挙権も存在したため、このようなことができたのですが、文部省は現段階で出所の見込みがない人を推薦するなんて非常識であるとコメントを残しています。

もう1つは教育委員会選挙は1956年に廃止されたものの、1978年に東京都中野区が準公選制と呼ばれる制度を条例により導入したという事例です。これは教育委員の候補者を募り、はがきによる住民投票を行い、その結果を参考にして区長が教育委員を任命するというシステムです。これにより、様々な効果が得られたものの、公選制時代と同様の弊害が指摘された事もあり、この中野区の準公選制は1995年に条例が廃止されたことで終わりを迎えました。

今回の参考文献情報は以下の通りです。

・初の教育委員選挙 東日本各地にみる, 読売新聞 1948-09-05 朝刊, 1.
・初の教育委員選挙 西日本, 読売新聞 1948-09-07 朝刊, 1.
・迫る全國"教育知事"選挙 依然多い教員関係, 読売新聞 1948-09-27 朝刊, 1.
・教育委員選挙 出揃う立候補者 総数七九二名に上る 一般に低調ながら東京が最激戦, 読売新聞 1948-09-29 朝刊, 1.
・教育委員 初の選挙終る 東京都の棄権七割余 投票率は長野縣が最良, 読売新聞 1948-10-06 朝刊, 1.
・教育委員選挙・大勢決す 保守勢力が圧倒的, 読売新聞 1948-10-07 朝刊, 2.
・教育委員・二年の足跡 教育費増額に活動 "新顔ボス"が入れかわる, 朝日新聞 1950-10-13 朝刊, 3.
・教育委選挙開票進む 投票率僅かに五割, 読売新聞 1950-11-11 朝刊, 1.
・棄権の新記録 これでよいのか教育委員選挙 投票一割七分五厘(23区), 読売新聞 1950-11-11 朝刊, 2.
・社説 教委選挙を再検討せよ, 朝日新聞 1952-07-08 朝刊, 1.
・嫌われる教育委員選挙 既に21都縣が反対, 読売新聞 1952-09-02 朝刊, 3.
・五県が無投票当選 県教委立候補締切る 平均一・六倍の低調, 読売新聞 1952-09-21 朝刊, 1.
・教委に戦犯推薦 長崎 巣鴨出所を問合せ, 読売新聞 1952-09-25 朝刊, 7.
・大切な教育委員の仕事 環境浄化に一役 千葉では通学バス運転, 朝日新聞 1952-10-04 朝刊, 3.
・新教委法成立す 賛成一三四 反対六九, 朝日新聞 1956-06-03 朝刊, 1.
・新教委法のもたらすもの, 朝日新聞 1956-06-03 朝刊, 1.
・農民議会”摩擦”なし?! 農業委員選挙, 読売新聞 1987-07-08 東京朝刊, 25.
・ゴミめぐり選挙白熱 久留米市・高良内財産区議会選, 朝日新聞 1991-09-26 西部夕刊, 12.
水産庁報道発表資料 第21回 海区漁業調整委員会委員選挙の実施について