後藤輝樹の選挙公報(2015年千代田区議会選)
(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2015年夏号』に掲載した文章を再編集したものです)
今回は2015年統一地方選の4月26日に行われた東京都の千代田区議会選に立候補した後藤輝樹を紹介します。2011年の統一地方選の神奈川県議選 横浜市選挙区で選挙デビューして以降、様々な選挙に立候補し、右派的な主張をしている他、強烈な活動で耳目を集めています。特に2016年東京都知事選では史上2度目となる政見放送削除という事件が起き、当ブログでもこの件について、紹介しています。
actin.hatenablog.com
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この2015年の千代田区議選でも強烈な選挙活動で一躍話題になりました。それは余りにも異様すぎるポスターによるものです。今回もrukaruruさんのサイト、広報用掲示板にそのポスターが掲載されていますので、そのリンクを下に示します。
裸な上に刀を持っています。裸で銃を持つ男ならぬ、裸で刀を持つ男です。正直、裸であるだけでもアレすぎるのに、刀を持っている点が非常に危ない感じがして、道端でこのような人物を見かけたら、脱兎のごとく逃げたい感じがものすごくします。後藤輝樹のウェブページに掲載されている2013年東京都議会選 千代田区選挙区で立候補した時のポスターも全身タイツで色々とアレすぎる格好でしたが、今回は自身の名前で大事な所を隠してはいるものの、比較にならないレベルですさまじすぎます*1。
それでは、選挙公報を下に示します。
いきなり、昔の少女漫画系の読者コーナー的なイラストが目に付きます。どうも髪型等を見てみると後藤輝樹本人をイラスト化したもののようですが、余りにも美化されている気がします。特にこのイラストでは刀を持っていますが、ポスターの画像を考えると、色々と素敵さが増している感もあります。
政策を見てみると、天皇を元首にするという政策や「自虐史観」「アメリカの言いなりにならず、周辺諸外国の反日的態度に屈さず」「千島列島、南樺太、竹島を奪還」と最近のネットの右の方の世論に親和性の高い文章ばかり見られますが*2、「愛国心を口実に、嫌悪感を抱く他民族への罵倒等は断固否定」とレイシズム的なものに対しては嫌悪感を示してはいます。また、エコカーの普及等の環境問題への取り組みや給食に無農薬無添加食材を用いることを挙げている点は興味深い所です。
このようにこの選挙以前と比較すると明らかにとてつもない選挙活動を展開した後藤輝樹ですが、得票数130票(総有効投票数20,879票、無効票324票)で38人中36位(定数25)で落選という結果に終わってしまいました(なお、37位は51票、38位は40票)。
なお、選挙後に本人のウェブページである「後藤輝樹様のオフィシャルサイト」*3では、次回のポスターは公募を予定していることが述べられていました。このポスター公募のルールは「後藤輝樹の名前が入っていること」「法律に触れないこと」「人種差別的なものがないこと」「製作費は全て応募者負担で賞金はなし」「写真等の素材は勝手に拾って使え」とのことで、「俺を素材に、おもちゃにして遊べ」という極めて豪気なことが書かれていました。さらに驚くべきことに基本全てのポスターを採用し、ポスター掲示場に掲載することで応募された選挙ポスターのナンバーワンをネットで決めるという、すさまじいことを企画していたようですが、これは残念なことに今のところ実行されていません。