Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

谷口信司の選挙公報(2011年北海道議会選 札幌市北区選挙区)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2011年夏号』に掲載した文章を再編集したものです)

腋臭(ワキガ)。しばしば美容外科や皮膚科に腋臭治療の治療宣伝がよく掲載されていますが、本質的に腋臭とはいかなることなのでしょうか?例えば、wikipediaメルクマニュアルなどによると腋臭の原因はアポクリン腺という汗腺が大きな影響を及ぼしており、ここから出る分泌物は一般的な汗とは異なる成分であり、この成分が他の物質と反応したり、微生物によって分解されたりすることにより、強力な臭いを生じることが原因になります。そして、このような臭いが非常に強く出やすい体質の人が存在し、このような体質を持つ人が少ない環境下ではしばしば問題視されることがあります。ちなみ腋臭治療の宣伝が多い事からも分かるように日本ではこのような体質を持つ人は外山恒一風に言えば少数派の諸君であり、一方、ヨーロッパでは逆にこのような臭いの体質を持たない人が少数派の諸君になる傾向があります(ちなみに腋臭と耳垢がねっとりしているという性質は同じアポクリン腺が原因であり、関連性があるようです)。

ここまで延々と選挙とはまず、関係がないと考えられる腋臭の話をしました。普通、選挙の焦点に腋臭を挙げるという事はまず考えられません。しかしながら、2011年4月10日に投票が行われた北海道議会選 札幌市北区選挙区に立候補した谷口信司は選挙と腋臭を結びつけた日本唯一の人と思われます。

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上に選挙公報を示しましたが、ちらりと見た限りでは、余白も多く、顔写真以外の写真図表も無く、文字も活字でフォントも一般的なフォントとなっていて、非常にシンプルな感じを受けますが、大きな文字で「今、私は思う、腋臭(ワキガ)は病気ではないと」という衝撃的な文章が目に入ります。 この衝撃的な腋臭に関する文章以外にもプロフィールで「家業を追われた」などの不思議な文章が目に入ります。

選挙公報以上にさらに壮絶なのはブログ(ヤフーブログアメブロの2つ)やtwitterでした。ブログの方を読んでみるとプロフィールに「神のなせるわざで供託金は返ってきた」(ちなみに谷口信司の得票数は4,053票で得票率3.16%。供託金変換ラインは2,702票*1と大健闘しています)というなかなか素敵な文章がありました。また、これらのブログ等の本文ですが、まともな文章も比較的あるものの、診察してもらったお医者さんの顔に傷があったので医療事故を起こしたのではないか、新聞配達面白おじさんなる謎の人物にも顔に傷があるのでお医者さんと同一人物ではないかとかなどの色々と頭が痛くなってくるような素敵な文章が書いてあります。ただ、個人的に選挙の説明会の手紙が選挙管理委員会から届いた事がうれしいと感じている日記は何か良かったと思いました。

ちなみに選挙公報の約束3にて衆議院選挙への立候補の意欲を示していたものの、この後の選挙活動や政治活動の動きはないのは残念なところではあります。