Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

雄上統の選挙公報(2011年東京都知事選)

(この記事は同人誌『補導聯盟通信 2011年夏号』に掲載した文章を再編集したものです)

今回紹介するのは2011年4月10日に投票が行われた東京都知事に立候補した
雄上統です。この雄上統は「東京維新の会」という政治団体から立候補していますが、当然ながら、この東京維新の会」は2010年に設立された橋下徹の「大阪維新の会」とは何も関係なく、「大阪維新の会」ブームに乗じて、各地に勝手に乱立した「XX維新の会」(XXは地名等が入る)の一種です。

この雄上統は2011年の東京都知事選が初挑戦ではなく、前回の2007年の東京都知事選に立候補しています。下に2011年の選挙公報(図上)と2007年の選挙公報(図下)を示しましたが、手書きから活字に変わっており、技術的あるいは資金的なレベルアップがあった可能性が示唆されます(なお、2007年の時に比較して、ポスターが多く貼られていたという情報もあり、資金力がレベルアップしていた可能性は高いです)。

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(2011年の選挙公報

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(2007年の選挙公報

さて、それでは2011年の方の選挙公報を見てみましょう。中央から右は政策が記載されています。ここには人口過密を防ぐべく地方への移住奨励策や減税、教育政策を訴えているほか、東京都知事選であるにも関わらず、首相公選制や参議院の廃止等の国政の抜本的なシステムに関することも訴えています。また、坂本龍馬に並々ならぬ思い入れがあるようで、龍馬の時代に似ているということを2回も訴えています。さらにこの選挙公報の最後には『私達「東京維新の会」は、橋下大阪府知事の「大阪維新の会」と、河村名古屋市長の「減税日本」と連動して、東京から「新しい日本と世界」を創っていく!』と書かれており、一方的に連動を宣言しています。

そして、左の方に注目してみると経歴と尊敬する人物が記されています。経歴を見てみましょう。一部、真偽はどうなのだろうかと思うくらいに華麗な経歴が示されていますが、2007年の時と比較して、文章量が増えており、水墨画の個展を開いたことや著書が記されています(ちなみにこの中の「神田川」は一般書店で見たことは全くありませんが、amazonで購入することができます。内容はかなりぶっ飛んだ素敵な感じになっています)。

また、尊敬する人物に注目すると政策のところで出てきた坂本龍馬のほか、アレキサンダー大王などの人物が記されています。また、ここの部分も2007年の時と比較して、追加されており、「ゴーダマ・ブッダ」はともかくして、「全人類」という尊敬する人物という項目としては色々とどうなのかと思うような文字列が記載されています。

なお、選挙結果ですが、得票数3,793票(得票率0.06%)で11人中10位となりました*1。ちなみに候補者の顔触れが違うため一概には比較できませんし、誤差範囲内かもしれませんが、前回の得票率0.07%(4,202票)*2と比較すると低下している事は付記しておきます。

 

神田川 第1巻―銀河系宇宙人の地球日本研究 (横書日本文学詩小説)

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