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Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

山口節生の選挙公報(2014年深谷市長選)

インディーズ候補

本ブログでも紹介したように東京都知事選に立候補表明をしたと思いきや、翌日に東京都知事選立候補取りやめ表明をし、それで終わりと思いきや、突如、無投票になると思われていた深谷市長選に電撃的に立候補し、立候補日翌日に実刑判決を食らうなど、フィクションのキャラではないかと思わせるような動きを見せた山口節生ですが、今回はその1月26日に投開票が行われた深谷市長選の選挙活動を紹介します。

ちなみに今回、山口節生東京都知事選立候補表明の翌日に取り下げた理由ですが、2/10にロフトプラスワンで行われた「時事ネタプラスワン!〜炎の都知事選スペシャル」で畠山理仁さんに聞いてみた所、家族が立候補に反対したためポーズ的な形として取り下げを行ったとの事で取り下げ表明後でも東京都知事選に立候補はする意欲はかなり高かったらしいとの事でした。ただ、東京都知事選に立候補せず、深谷市長選に立候補した理由は謎との事で実に山口節生らしいと思いました。

では、話を深谷市長選に戻して、山口節生選挙公報を示します。

まず、団体名の所に注目してみましょう。東京都知事選の立候補表明では「哲学者カントの永遠平和論による軍備放棄の継続及び女王陛下を容認する連絡会」という相変わらずの長い団体名でさすがと思わせましたが、深谷市長選では「哲学者カントの「永遠平和のために」の理想に従い軍備放棄の継続及び女王陛下を容認する連絡会」と長い名前は相変わらずですが、名称を微妙に変えており、何故変えたのかという疑問が出てきます。

そして、今回の選挙公報で特徴的な点として、スペースが大きく分けて、上部の箇条書きに書かれている部分と下部の横長部分に変に分かれているという事です。そして、この下の横長部分に注目してみると、この縦横比は東京都知事選の選挙公報の縦横比に類似しており、この部分は東京都知事選に使おうとしていたものを急遽、深谷市長選に流用したものと思われます。

それでは、具体的な文章に言及してみましょう。まず、上部の部分に注目します。最初の箇条書きを見てみると、都市計画について語っています。これは以前、山口節生を取り上げた同人誌でも述べましたが、もともと山口節生は選挙活動を初める前に都市計画に関する本を自費出版しているほどで深谷市でもこのような都市計画に情熱を注ぐ事を述べています。そして、この項を読み進めてみると、突然、「写真にかわむらたかしの写真が載っていますが、承諾はとっていません」という謎の発言が出ます。実はこの発言の意味は選挙ポスターにあり、最初の"写真"というのはポスターの事を指していると思われます。このポスターは同じインディーズ候補愛好家のrukaruruさんが撮影しており、rukaruruさんのブログで見る事ができますが、大きく河村たかしのツーショットが掲載されており、あたかも河村たかし山口節生を推薦しているかのように見えます。ただ、山口節生本人が選挙公報で述べているように、河村たかし本人の許可を取っておらず、明らかに問題のあるポスターとなっています。この他、市長選なのにもかかわらず「必ず総理になります!」と力強く宣言しているのも、さすが節生と思わせます。

再び選挙公報に戻ります。箇条書きの3つ目に注目すると「一生深谷市に住む」と述べています。このような発言は自分の住んでいるさいたま市以外の選挙でたまに見られる発言で例えば1995年の参院選東京都選挙区では「私が永久にすむ新宿」と述べており*1今回も山口節生が選挙戦の地域ごとに各地を巡業している歌手の如く、軽々しくこの手の発言をしています。

そして、さらに箇条書きを読み進めると、国家への提言としてカントの永遠の平和の話をしたり、深谷市の話として、2回も個人市民税10%減税を述べるなど、まともな事を書いていますが、おそらく、今回、逮捕と実刑判決を受けたせいか(警察と検察の改革、裁判所の改革)の部分で証拠偽造という形で今までの山口節生には見られなかった激しい批判を展開しています。その後一橋大の同期として、自分と共に衆議院議員NTTコミュニケーションズの社長の経歴を何故か紹介し、「市民と議員と市長の関係は代表という関係です」という一言で深谷市長選に立候補するにあたって追加したと思われる上の部分は終わります。

次におそらく東京都知事選に立候補した際に使用する予定であったと思われる横長の部分に移ります。元々、横長の都知事選用を無理矢理縮小して掲載したので、非常に見づらいのですが、ここ読み解いてみると、まず、埼玉県不動産鑑定士協会と裁判で争っており、「世界で二番目の損害賠償請求を4億円し続けている」と述べ、「日本には共産主義があるから日本には独占禁止法は存在しないと最高裁判所はいう。独占禁止法破壊活動防止法で対処すべき」という不可解な文章が出てきます。

そして、この次に「戦前の軍国主義を中国に謝罪で尖閣は平和解決!」と書き、中国に対してそういう路線を取るのかと思いきや、別の項目では共産主義中国は悪魔の帝国」とも書いてあり、山口節生がいかなる姿勢で中国に臨むのか非常に読み取るのが難しい感じになっています*2。ただ、それ以外の政策ですが、消費税の廃止を自分が得意としている経済学の話を持って2回主張したり、東日本大震災以降訴え始めた原発禁止を主張したり、突飛な主張はしていません。

そして、政策の後に「せつおからのお願い!」という項目があり、ここには自分のアイフォン(原文ママ)の電話番号が書いてあり、「政治経済について話し合いましょう」と電話を求めたりしていますが、この次の項目に驚くべき事が書いてあります。それは献金のお願いであり、「せつお会」の郵貯口座の口座番号が書いてありますが、ここに東京大学と、一橋大学を出たが年収250万円」と書いてあり、どうも山口節生の年収が250万円しかない事を伺わせ、最近の選挙活動が低調なのは資金難が原因なのではないかという予想を裏付けます。このような自分の年収を暴露しての献金のお願いの後に「切り取り線から切り取って政治経済についてせつおと話し合いましょう」という言葉と共に「せつおとの相談券」なる券が付随していますが、この券をどのように使用するかは全く書いておらず、非常に不可解な券です。

その後は色々な大学を卒業した山口節生の経歴でこの東京都知事選からの流用と思われる部分は終わり、スペースが余ったのか、最後に再び、市民税の減税等の主張を思いついたように手書きで書いて、選挙公報は終わりました。

さて、このように3年弱ぶりに選挙活動に打って出た山口節生ですが、結果は現職の小島すすむとの一騎打ちで31,798票対1,974票(無効票は813票)*3で得票率5.8%獲得したものの、供託金返還ラインの10%には届かず、政治資金が不足していると思われる山口節生には非常に厳しい結果に終わりました。政治資金が不足はしているものの意欲は高いと思われますし、90年代から活動を続けている伝説級のインディーズ候補である山口節生の今後の活動に期待したいところです。

*1:さらに、この発言の翌年に埼玉県知事選に立候補しています

*2:ただし、中国を共産主義国家から資本主義国家にする事が目標らしいので、資本主義国家となった中国に謝罪をするという形であれば、納得はできます

*3:http://www.city.fukaya.saitama.jp/senkan/26_0126sicyousen_kekka_kaihyo.html