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Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

幸福実現党の政治資金報告書(平成24年)

行政、政治系ネタ(選挙以外) インディーズ候補

政治と金銭の関係というのは、2013年12月の現時点でも猪瀬直樹徳州会のように様々な問題をしばしば起こします。政治とお金に関しては様々な問題がありますが、一方でお金がなければ、様々な活動ができないのも事実です。そこで政治とお金の流れを透明化させるシステムがあり、政治団体は行政に政治資金収支報告書を提出する義務があります。この政治資金収支報告書は公開されて、閲覧することができるのですが*1、この報告書からはなかなか興味深い情報が得られます。そして、先日、平成24年の収支報告書が公開されたのですが、今回はこの中で幸福実現党の収支報告書がなかなか興味深かったので紹介いたします。

幸福実現党はここ最近では南アフリカ共和国マンデラ元大統領が死亡した数時間後に霊界からのメッセージを発表するなど、様々な有名な人物の守護霊を呼びだし、イタコ芸とまで称される事を行っている事で有名な宗教団体の幸福の科学が母体の政治団体である事は今更説明するまでもありません。この幸福実現党の特筆すべき所の1つとしては、既存政党並に各地に大量の立候補者を擁立している事が挙げられます*2。しかしながら、国政や大規模な地方選挙でこれらの候補者が勝利した事例はなく*3、選挙区によってはローカルなインディーズ候補より得票数が下回るほどで供託金の返還ラインにすら届かない事がほとんどです。このような大量立候補や結構派手に広告を打っていたりする事から結構な金額の政治資金が動いているのではないかと思っていたのですが、平成24年の収支報告書によると、幸福実現党本部の平成24年の単年度の収入は約23.6億円もありました。これはみんなの党本部の平成24年の収入が約14.1億円である事を考えると、地方組織の力の違いなど単純にはいえないものの、幸福実現党の資金力が極めて大きい事が分かります。

さて、次はこの収入の内訳を見てみましょう。まずは党の基本ともいえる党費収入ですが、これは約0.6億円とそこまで大きい金額ではありません。次にこれも基本といえる寄付金ですが、こちらは党費より大きい合計約1.5億円となっています。そして、機関誌の発行やその他事業の収入が約4.3億円となっています。また、この他に機関紙「幸福実現News」の広告収入や立替金の精算等で約0.2億円、各地方支部から約60万円供与されています。これだけでも約6.6億円と、国民新党本部の平成24年度の総収入である6.1億円を上回るかなりの金額ですが、23.6億円には明らかに不足しています。それでは、幸福実現党の収入源は何か?それは、借入金でその金額は17億円と莫大な金額です。ただ、この借入先は幸福の科学となっており、幸福実現党の性質や幸福の科学の収入源が信者から得たお金と考えると、借入金という名の実質的な寄付と見ることができ、改めて、幸福の科学幸福実現党にかなりの力を入れている事が分かります。

このように莫大な収入を有する幸福の科学ですが、これらの収入を見てみると非常に面白い項目がある事が分かりました。それは機関誌の発行やその他事業収入の項目です。この項目には機関誌収入以外にもグッズ販売などで得た収入が入るのですが(例えば、自民党はこの辺りの内訳を細かく書いており、シリコンリングで220万円、総裁ポスターカレンダーで36万円の収入を上げている事が記されています)幸福実現党は「祭政一致研修」なる政教分離原則に真っ向から刃向うような項目が存在し、この事業で約1.8億円もの収入を上げています。宗教絡みの政党といえば、公明党が挙げられますが、公明党はこのような直接的な表現の収入は記載されておらず、幸福実現党の素敵さが分かります。

また、この謎の「祭政一致研修」以外にも、幸福実現党の収入内訳からは面白い情報が得られます。例えば、党費収入の項目には、収入額の他にも党費を納めた人数が記載されているのですが、これによると幸福実現党に党費を納めている人数、すなわち党員は約11,000人である事が分かります。また、年間5万円以上寄付した人は名前、住所、職業を記載する必要がありますが、全国津々浦々から個人は17ページにわたって記載されていたり、各地の地方支部からもかなりの金額を寄付されている事から、宗教政党である幸福実現党の組織力の強さが伺えます。

このように23.6億円もの収入を上げた幸福実現党ですが、今度は支出の部を見てみましょう。支出の額は合計22.6億円と派手に使用しています。この内訳を見てみると人件費や備品、光熱費、消耗品、事務所費といった経常経費で2.0億の支出があります。この経常経費の内訳ですが、なかなか、興味深い情報が得られました。この経常経費にヤンキー先生の異名で知られる自民党衆議院議員である義家弘介の「義家弘介後援会」に2万円の会費を支払っていた事やみすず学苑の母体である宗教団体「ワールドメイト」から献金を受けたり等、色々とその手の宗教やオカルト系と関係が深い文部科学大臣下村博文の「博友会」のパーティー券2万円を購入した事が記されていました下村博文との関係に関して詳細な検証を行いました。検証の内容はこの記事を参照してください)。経常経費は光熱費や人件費程度で大した情報はないだろう、と思っていましたが、このようなすごい情報が掲載されていて、かなり衝撃を受けました。


全支出から経常経費を除いたもの全てが政治活動費ですが、これは20.6億も用いており、規模の巨大さを感じさせます。これらの内訳を見てみると、陣中見舞いや比例区の供託金などの選挙関係費4.3億円、幸福実現党の地方組織に配った費用が1.7億円となっており、選挙の立候補絡みで6.0億円という、他組織と比較しても突出した金額を支出している事が分かります。しかしながら、政治活動費の総支出は20.6億もあり、選挙絡みでは半分も占めていません。幸福実現党の支出の中で突出しているのは、宣伝事業費とその他事業費であり、これには合計約13.9億円もつぎ込んでいます。幸福の科学の宣伝と言うと、バナー広告でしばしば幸福の科学を見たり、色々とビラを配っている事から、こういった項目の支出が多いと思っていたのですが、内訳を見てみると、広告代行料や流通手数料の名目で億を超える相当額の金銭が幸福の科学出版に支払われており、収入の大部分が幸福の科学からの借入金である事を考えると、収入支出共に幸福の科学内で回されているのではないかという疑惑が出てきます。

さらに支出の詳細を読み進めていると講演料の項目が出てきます。ここには支払った相手が記されており、鈴木真実哉や恵隆之助、坂東忠信など幸福の科学御用達の学者や幸福実現党と親和性の高いその手の思想の人物が並んでおり、非常に興味深いのですが、なぜか、これらのメンバーの中にインディーズ候補と言われていたものの、加西市長選に当選し、その後、大阪市北区長に抜擢されたあの中川暢三が記載されており、111,111円と66,666円の2回に分けて講演料が支払われていました。個人的にまさかこのような場所で中川暢三の名前を見るとは思わず、幸福の科学と中川暢三に如何なる繋がりがあるのか、非常に面白い疑問が湧いてきました。

このようになかなか面白い幸福実現党の収支報告書ですが、このような既存政党以上の莫大な金額をかけて、今後も政治関係に力を入れるのかは、注目したい点と言えます。

*1:http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/index.html

*2:もう1つの特筆すべき所は自民党の現職国会議員が突如、移籍して、国会で1議席占めていた事でしょうか

*3:小規模な地方議会選で推薦候補が当選したという情報はあります