Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

くじ引き(フィリピン選挙編)

2011年の渋谷区議会選で最下位当選者と次点候補者が1票差であったものの、1年以上の裁判の結果、最下位当選者の1票が無効票となり、得票数が同数になったため、くじ引きで当選者を決定した事を以前、当ブログで取り上げました。

公職選挙法では、得票数が同数の場合は選挙長がくじで決めると規定されているのみで*1、そのくじ引き方法までは規定されていませんが、この時は神社のおみくじを引く際に使用するような、数字の書いてある棒が出てくる筒を用いて行われました。この時のルールは1から10までの数字が書いてある棒をその筒に入れ、小さい数字を出した方の勝ち、というものでした。

さて、今回、紹介するのは日本ではなくて、2013年5月に行われたフィリピンの町長選で上位2名の候補者の得票数が同数になり、最終的にどのような方法で当選者を決めたかという話です。

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この時の決定方法はスポーツのくじ的な方法として良く見られるコイントスで、5回ずつコインを投げて、表の出た回数が多い方が勝ちというルールでした。このコイントスを採用した今回の選挙管理委員長は2004年の近隣の町の議会選でも、当選者をくじ引きによって決定しなくてはいけない事があり、その時もコイントスによって決定した事があるようですが、このコイントスによる決定というのは、この選管委員長が好きなスタイルなのか、それともフィリピンでは、こういう局面で良く用いられる手法なのかは気になる所です。

また、この記事で注目すべき所は、『フィリピンの選挙法では得票数が同率1位の場合、くじ引きで当選者を決定すると定められているが、コイントスもくじ引きの方法の1つとして認められている。』という所で、くじ引きの方法が定められていない日本と異なり、フィリピンではくじ引き方法が法令で定義されており、その中にコイントスが含まれている事を示唆する事です。なお、この辺りの詳しい内容について、ちょっと調べようと思いましたが、フィリピンの選挙法(OMNIBUS ELECTION CODE OF THE PHILIPPINES)を見た限りでは、くじ引きをせよと書いてあるだけで*2、このくじ引きを規定する他の法令を見つけることはできませんでした。おそらく、『OMNIBUS ELECTION CODE OF THE PHILIPPINES』という名前から、この法は包括的な法律であり、下部の法令的な物で、くじ引き方法が定義されている文章があると思うのですが、見つけることはできませんでした。ちょっと、この辺りに関して、詳しい方がおりましたら、コメントいただけると幸いです。

*1:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO100.html

*2:Section 240. Election resulting in tie.を参照