ネット選挙。現代日本においてはインターネットがこれだけ普及しているにもかかわらず、ネットを利用した選挙活動は厳しく禁止されていて、選挙期間中に自分のウェブページを更新する事も出来ない、というのは良く知られている所です*1。
また、選挙を執行する側もインターネットの活用は決して積極的ではありません。選挙啓発をある程度したり、開票速報や開票結果の掲載(これらは結構ありがたいのですが)程度で発行した選挙公報や政見放送を流すなどという事はしていませんでした。
しかしながら、今回、こんなニュースがありました。
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/08/20110822t11014.htm
仙台市議会選において、今回、全国で初めて選挙公報が選挙管理委員会のウェブページに掲載される事になったのです。
http://www.city.sendai.jp/senkyo/1196691_2477.html (各選挙区の選挙公報がpdfで見れます)
しかし、記事にもあるように東日本大震災の被災者に選挙情報の提供の場を増やすことが目的で*2、残念な事におそらくこの文章から、公開するとは言っても、恒常的にこれから選挙公報をウェブページで発信する事ではないと思われます。とはいえ、この記事にもあるように「法的には可能」である事から今回、別にネットでの選挙公報公開が掲載が超法規的なものであったり、特別な許可を必要したりするものではなく、どうも独自で行って良いようで、今後、このようなインターネットでの選挙公報配布が広まってほしい、と思う所です*3。
個人的には放映時間が早朝など放映時間の面や見返して良く検討する必要などの点から、政見放送も選挙管理委員会がインターネットで配信すれば良いのではないかと思います。この配信の思わぬメリットの1つとしてはYou Tubeやニコニコ動画などで特徴的な『インディーズ候補』の政見放送が動画サイトにアップされ、色々と問題になる事がありますが、これも自ら選挙管理委員会が政見放送を配信することでこのようなサイトへのアップが防げるのではないかと思われます(過度のサーバ負荷が生じた場合とかは考える必要がありますが)。
ただ、このようなネットによる選挙情報の提供なのですが、今回のこの選挙公報公開は総務省からの要請によって起きた事のようで、地方が自主的に行った事ではない可能性が高いと思われます。特別な事情が無く、地方独自でネットによる発信を行う事の可能性に関してですが、中央から何か言われた場合を考えると二の足を踏むこと*4や資金的な問題や技術的な問題を考えると、そのような可能性は小さいのではないかと思います。この事から、個人的には総務省が自ら音頭を取り、選挙公報や政見放送配信の推進事業(技術的システムの整備含む)に本気で金を投じてほしいと思います。お金もそんなにかかるようなプロジェクトではなさそうですし。
なお、最後に 仙台市議会選の選挙公報を見てみましたが、面白そうな『インディーズ候補』はいなかった事は記しておきます。また、啓発に「仙台おもてなし集団」(おそらく名古屋おもてなし武将隊の仙台版)が使われている点ですが、個人的には2009年の知事選のパーリィ*5ほどのインパクトはないと思います(逆に言えば、おもてなし集団もそれなりのインパクトがあったものの、パーリィがすごすぎたとも言えます)。ただ、ゆるきゃらと言うよりは不気味、怖いキャラの「てとりん」(下図参照)はポイントが多少高いです。