Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

選挙ドットコムさんに寄稿しました(テーマ: 選挙の公費負担制度の悪用)

選挙情報サイトの選挙ドットコムさんに以下の記事を寄稿しました。

go2senkyo.com

今回は選挙運動において資金力が大きな差が出てはいけないように新聞広告費や選挙用はがきなどの選挙運動費用の一部を行政が負担してくれる「公費負担制度」を悪用して、金儲けをしていた事例を紹介しています。

記事中には掲載できなかった補足情報ですが、取締りの激化や各方面の監視が強まった結果、選挙用の無料はがきの横流しができなくなり、公費負担制度を悪用しようとした多数の泡沫候補がはがきを大量に余らせる結果に終わりました。この時、驚くべき事にこのような不正を取り締まる組織である選挙管理委員会にはがきを買ってくれるように泣きついたという信じられないような候補がいたようです*1

なお、今回の参考文献情報は以下の通りです。

参院選(東京地方区)にインチキ候補,読売新聞 1956-06-27 朝刊,7.
・相変わらず多い 悪質ホウマツ候補 ひとかせぎねらう,朝日新聞 1960-11-08 朝刊 10.
・裏側からみた総選挙 本社記者座談会,朝日新聞 1963-11-23 朝刊,14.
・ホウマツ候補の台所 広告のリベートで供託金まかなう,朝日新聞 1963-12-29 夕刊, 7.
・選挙運動など改善 公選法改正案成る 供託金を倍額に 「ホウマツ候補」の抑制,朝日新聞 1964-04-20 夕刊,1.
・選挙を食いもの ほうまつ候補 締め出しに法改正,朝日新聞 1965-06-18 朝刊,14-15.
・手を焼くホウマツ候補 金もうけ・売名ねらう,朝日新聞 1967-01-07 夕刊,9.
・「ほうまつ」手を出せず 浄化ムード、監視強まり, 読売新聞 1967-01-09 朝刊, 15.
・ことば 供託金没収,朝日新聞 1977-07-13 朝刊,5.
・選挙広告の国費を食いもの 参院比例区超ミニ新党乱立のウラ 代理店が供託金払う,朝日新聞 1986-07-10 朝刊,22.
・悪用された公営選挙 ”肥後事件”ひな形に 業界、年々競争が激化,朝日新聞 1986-07-10 朝刊,23.

*1:ここでは「泡沫候補」という言葉を使用していますが、「泡沫候補」と「インディーズ候補」のあくまで個人的な使い分けの基準として、今回の様に選挙制度を利用して金儲けをしようとする候補を「泡沫候補」、それ以外の候補を「インディーズ候補」としています

2016年夏コミ新刊の訂正

2016年の夏コミ(C90)にて頒布いたしました「補導聯盟通信 2016年夏号」に一部誤記がありました。大変申し訳ございません。
訂正事項に関しては以下の通りとなります。 

23ページ(「◆夕張へ……」の開始の次のページ)の3段目
誤:「そして運命の投開票日。結果は表」
正:「そして運命の投開票日。結果は表10」

30ページ(「◆再び夕張へ……」の開始の次のページ)の表13

表13 2009年夕張市長選の結果

小畑 勉 621,497
畠山 和也(共産) 206,463
羽柴 秀吉 103,282
浅野 隆雄(社民) 79,474

表13 2011年夕張市長選の結果

鈴木 直道 3,569
飯島 夕雁 2,779
羽柴 秀吉 1,440
笹谷 達朗 114

 

夏コミ新刊のお知らせ(2016年)

私が色々とやっております、同人サークル「国民補導聯盟」ですが、夏コミ新刊の原稿を印刷屋さんに入稿しましたので、今回の新刊のご案内をいたします。

サークルスペース

新刊

  • 補導聯盟通信 2016年夏号 (頒布価格500円)
  • 伝説の桑絹村長選 村長選に202人も立候補者が出た村(過去作品の再販版)(頒布価格400円)


新刊「補導聯盟通信 2016年夏号」の内容

  • 羽柴誠三秀吉 -彼はインディーズ候補だったのか-(Actin)
  • 市議会議員選挙戦における所謂「選挙コンサル」の効用について(不明庵拙斎)
  • 非常呼集!直ちに帰隊せよ(異界洋香奈)
  • びすますのはなし。 (ようた。)

既刊頒布予定物(いずれも頒布価格500円)


私は今回の新刊「補導聯盟通信 2016年夏号」では羽柴誠三秀吉 -彼はインディーズ候補だったのか-」を執筆しています。

今回のテーマは豊臣秀吉の生まれ変わりを自称し、各地の選挙に立候補、2007年の夕張市長選では1位と僅差の次点に食い込んだことで話題となり、2015年に死去した羽柴誠三秀吉こと本名 三上誠三です。羽柴誠三秀吉といえば、伝説的なインディーズ候補として取り上げられますが、20代の時に三上誠三名義で地元で立候補した選挙をはじめ、秀吉の選挙の状況を分析し、本当に彼は組織のないインディーズ候補であったのかという点に今回は焦点を当てています。

「補導聯盟通信 2016年夏号」の私以外の記事は地方議会選挙で選挙コンサルを利用した候補者の補佐をしていた人の視点で選挙コンサルについて分析した記事や自衛隊の体験記、漫画等を掲載しています。

また、「伝説の桑絹村長選 村長選に202人も立候補者が出た村」はすでに完売している「補導聯盟通信 2011年冬号」、および過去の再収録版である「補導聯盟通信アーカイブス」に収録していた同名の記事を再編集し、1冊の本にまとめたものです。内容は1960年の桑絹村長選に202人立候補者が出た事件を取り上げています。詳細については「補導聯盟通信 2011年冬号」の記事を参照してください。すでにこれらの本を持っている方には必要ないですが、まだお持ちでない方でご興味のある方はぜひこちらもよろしくお願いいたします。

(8/15追記: 新刊の内容に一部誤記がありました。大変申し訳ございませんが以下の記事を参照してください)
actin.hatenablog.com