Experiments of Actin

『インディーズ候補』(泡沫候補)の特徴的な選挙活動を中心に少し変わった選挙、政治関係の話題を取り上げているブログです。

BLOGOSさんに寄稿しました(テーマ: 後藤輝樹の政見放送削除事件)

ニュースサイトのBLOGOSさんに以下の記事を寄稿しました。

blogos.com

この記事では2016年東京都知事選に立候補した後藤輝樹のNHK版の政見放送において、公職選挙法150条の2に基づいて、政見放送の音声がカットされた事を取り上げ、過去に1例だけあった東郷健政見放送のカット例を紹介し、今後、どのようなことになるかということを取り上げています(東郷健の政見放送削除事件の判例とその時の法曹界の議論から政見放送では何をやってはいけないかという観点で分析した記事を以前、書いていますので、こちらもご参照ください)

最後にBLOGOSさんの記事では掲載できなかった参考文献情報は以下の通りです。。

最判平成2年4月17日 民集44巻3号547頁
・東京高裁昭和61年3月25日  高民集39巻1号1頁
東京地裁昭和60年4月16日 判事1171号94頁
・本田康作, 差別発言と発話行為 -政見放送削除事件を素材に-, 大阪経済法科大学21世紀社会研究所紀要, 2014, 5 .
東北大学公法判例研究会, 公報判例研究, 法学, 1993, 57巻3号, p.115.
・青柳幸一, 政見放送における表現の自由, 新聞研究, 1990, No. 468.
・尾辻善人, 憲法の基礎理論と解釈, 信山社 (2009) p.619.
清水英夫, 政見放送の一部削除が緊急避難的措置として許され違法性を欠くものとして損害賠償責任が否定された事例(いわゆる政見放送削除事件控訴審判決) -東京高裁14民事部判決,昭和61年3月25日,昭和60年(ネ)1117号・1204号,原審東京地裁-, 法律のひろば, 1986, 39(7), p.68.
後藤輝樹様のオフィシャルブログ

選挙ドットコムさんに寄稿しました(テーマ: サン=ラグ式の解説)

選挙情報サイトの選挙ドットコムさんに以下の記事を寄稿しました。

go2senkyo.com

これは今回の2016年参議院選 比例区を本来の「ドント式」ではなく、「サン=ラグ式」という得票数の少ない勢力でも議会に代表が送りやすくなるやり方で議席配分した場合、どのような結果になるのかという話です。サン=ラグ式の説明も含めて、詳細は記事をご覧ください。

ちなみに補足情報として、このサン=ラグ式を採用することで当選する幸運な3人は中山成彬日本のこころを大切にする党、38位)、佐野秀光(支持政党なし、44位)、山田太郎新党改革、最下位の48位)です。そして、落選する不幸な3人は水落敏栄、園田修光(いずれも自民党)、白真勲民進党)となります。

なお、今回の計算に用いた得票数の情報は以下の総務省のサイトからとなります。

-総務省|第24回 参議院議員通常選挙 発表資料

(追記: 選挙ドットコムさんの記事中ではニュージーランドノルウェースウェーデンがサン=ラグ式の採用国となっていますが、ノルウェースウェーデンは最初を1ではなく、1.4で割る修正サン=ラグ式を採用しています。これは普通のサン=ラグ式の場合、小政党に余りにも有利になりすぎるためです)

山口節生、2016年東京都知事選に立候補表明

2015年4月のさいたま市議会選に立候補中に8か月の実刑判決が確定して以降、伝説的インディーズ候補である山口節生の動きは謎となっていましたが、ついに7月6日に東京都知事選に立候補を表明すべく会見を行い、その姿を久しぶりに我々の前に現しました。

立候補会見はニコニコ生放送YouTubeで見ることができますが(ニコニコ生放送タイムシフト視聴ができる環境が必要ですが、内容が多く、どちらかと言えばこちらがお勧めです)、その会見内容を要約すると以下の通りでした。

  • 習近平とトランプに手紙を送った。トランプに自身の考えた経済政策「セツオノミクス」*1をやらせる(トランプが大統領になると思っている?)
  • 「永遠平和都市宣言」をする
  • オリンピックは予算半減
  • 八王子から都心までリニア新幹線を通す
  • 眼鏡は永久にかけない宣言。視力は2.0(今までは眼鏡をよくかけていました。眼鏡をかけている姿の例としては2011年の埼玉県議会選2015年さいたま市議会選が挙げられます)
  • 自分は冤罪であり、虚偽公文書作成などで埼玉県警の職員500人以上が終身刑になる(ちなみに2015年のさいたま市議会選の選挙公報では「500人が死刑以上の罪を犯している」と記しています)
  • 職業は鑑定士で印鑑や筆跡も鑑定する(本職は不動産鑑定士ですが、実刑が確定したため、資格が停止されているはずです)
  • 今回の政治団体名は「イマニエル・カントの永遠平和による軍備廃棄の団体」(記者に政治団体名を聞かれて、団体名を答えた後「だったっけ」と述べているのが素敵です)
  • 再審請求をしたので刑の執行が停止されたと本人は言っている(監獄の中、入ったつもりもないという発言もあるため刑は執行されたものと思います)
  • キリスト教を超えたと思う。自分は最終的に世界一の人間になった。

個人的には服役経験のせいか全体的に山口節生の会見は以前よりとてつもなさが増しており、少し心配になるレベルと感じました。

また、もう1つ、こちらはかなり重要な心配として2014年の東京都知事選では立候補表明をしたものの、その翌日に突如、資金不足を理由に立候補を取り下げたことがあるなど、立候補表明をしても実際には立候補しないことがあり、今回もそのようになるのではないかということが挙げられます。

なお、ここで要約した文を記載しましたが、内容があまりにもすごいので、ぜひ会見を全て見て、とんでもなさを実感することをお勧めします。

(7/14追記: やはり懸念通り、山口節生東京都知事選に立候補表明をしたものの、今回も立候補はしませんでした)

*1:通貨安競争が進むと最終的に戦争に発展すると考えており、通貨安競争を阻止するための政策だそうです